陸水学雑誌
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12 巻, 2 号
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  • 根來 健一郎
    1942 年 12 巻 2 号 p. 41-49
    発行日: 1942/09/30
    公開日: 2009/12/11
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    (1)藍藻Cyanidium caldarium (TILDEN) GEITLERは,日本の無機酸性水域中,その温泉に廣く分布する。
    (2)本藻の生育温度範圍は,著者の野外觀測の結果によると,23.0°~50.0℃であるが,その良好な生育は大體35°~50℃の範圍内に於て見られる。
    スンダ諸島の硫氣孔原水域に於けるガイトラー・ルットナー兩氏の知見及び本邦八甲田山酸ケ湯に於ける岡田要之助博士のそれは,その基礎となつてゐる觀測資料は餘り多くはないが,大綱に於て著者の研究結果とよく一致する。コプランド氏及び江本博士等の記載による上の限界温度は高過ぎると思ふ。
    (3)本藻は微酸性水域(pH5.0~6.8)にも生育することが江本博士等により觀察せられてゐるが,その著しい繁殖は無機の強酸性水域にのみ限られ,その生育箇所の水のpHは,著者の野外觀測の結果によると,1.0~4.0の範園にある。
    (4)從つて本藻の著しい繁殖は無機酸性温水域(酸性温泉)の良き指標となる。
    本研究は帝國學士院の御援助によつて行ひつつある「日本の無機酸性水域に於ける植物群落の生態學的研究」の一部である。ここに同院に對し感謝の意を表する
  • 伊東 祐一, 上村 三男
    1942 年 12 巻 2 号 p. 50-55
    発行日: 1942/09/30
    公開日: 2009/06/12
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  • 河西 芳一
    1942 年 12 巻 2 号 p. 56-62
    発行日: 1942/09/30
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    1.本報告は日本に於ける主なる強酸性水域13に就いて調査した動物相の概報である。
    2.本調査の結果從來知られて居た耐酸性種の外に多くの種類が著しい強酸性水域にまで棲息する事が明かになつた。
    3.中性水域では蜉蝣類,毛翅類,せき翅類が主要素であるが,酸性水域では鞘翅類,毛翅類,双翅類が主要素で殊に浮游類は殆ど出現しない。
    4,季節的變化は中性水のそれと大差なく尚水温が周年高温を保つ温泉附近の河川には特殊な動物が著しく繁殖して居る。
    5.一河川に於ける種數密度は中性河川と同じく中流で最も多く上下流では少い。
    6.中性河川と酸性河川との合流點を見ると酸性水域の動物相が著しく貧弱で且酸性河川に多くの動物が見られる時は兩河川に共通種が多い。從つて酸性河川の動物は中性河川より移動侵入したものと考へられる。
    7.pH5.0以下に出現する動物の種數次の如し。
    鞘翅類2種,毛翅類15楓,双翅類11種,異翅類8種,せき翅類5種,脈翅類5種,蜉蝣類4種その他7種である。
    8.pH2.0以下にまで棲息し得るもの次の如し。
    Rhyacophila towadensis., Prolonemonra sp.,Notouecla triguttat, Sigara substriata, Protohermes grautlis, EmpidacのEuhiefferiella sp., Poly--pedilum Sp.
  • 菊池 健三, 榎田 淑子, 館野 文枝
    1942 年 12 巻 2 号 p. 63-72
    発行日: 1942/09/30
    公開日: 2009/06/12
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  • 1942 年 12 巻 2 号 p. 73-78
    発行日: 1942/09/30
    公開日: 2009/06/12
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