1958年9月23日に河北潟のプランクトン及び接合藻(ツヅミモ,ケイソウ)について塩素イオンとの関係を分類,生態学的に調査した.
1.益子及び著者の調査からC1-をみるに,表層水において0.27~8.45g/lと著しく変化し,また,Table 1に示すように向粟崎より西湖岸を北東に進むに従い減少している.これは,風向,風力,汐位等が影響して大野川を海水が逆流することが原因であると考えられる.
2.出現したプランクトンは,Paracyclopina nana, Pseudodiaptomus inopinusを有力種とする橈脚類3種,輪虫類2種,藍藻類1種,ケイソウ16種であつた.水草に着生しているケイソウはAchnanthes brevipes, A. brevipes var,intermedia, Coscinodiscus lacustrisを有力種とする35種と,ツヅミモ1種,湖底表層中のケイソウ殼は,C. lacustrisを有力種とする30種であつた.
3.本汽水湖における採集標本中,鹹水域において普通にみられるものは橈脚類のParacyclopina nana, Pseudodiaptomus inopinus, Sinocalasaus tenellus,輪虫類のKeratella valga,ケイソウはAchnanthes brevipes, A. brevipes var. intermedia,Coscinodiscus lacustrisを有力種とする21種が認められた.特に,Achnanthes brevipes, A. brevipes var. intermedia, Coscinodiscus lacustrisの3種が水草に着生している状態は特徴的で,河北潟から大野川となつて流出する付近と,大根布より北東部水域とでは分布の状態が非常に異なつていた.(Table3,.Fig.2).
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