(1) プランクトン個体数推定過程における問題点の検討, 特にSubsampling過程における誤差の導入についての分析を行なった。
(2) 出現数の多い3種の動物プランクトンについて分析した結果, 1/200程度のSubsamplingでは, 10箇のSubsampleでかなりよい精度の平均値を得ることができる。また個々のSubsample中の各種個体数はランダム分布からやや一様分布することから, Subsamplingの撰作に大きな欠点はないものと思われる。同一水塊中で採集した標本間には有意差が認められる。
(3) 出現数の多い4種の緑藻について分析した。植物プランクトンの場合はSubsampleをスライド上に拡げ, 顕微鏡視野をコードラートとする2度目のSubsamplingを行なった。1回目の操作はかなり満足できるが, 2回目の操作には欠点のあることが認められた。視野内個体数の分布は集中型のものがかなりあり, これがより大きい誤差を導入する。同一水塊中で採集した標本間には有意差が認められる。
(4) プランクトン個体数推定過程における誤差の導入について論義した。
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