(1) 茨城縣神ノ池に於て,本年(昭和10年)7月上旬より9月下旬にわだつて,藍藻の珍種Anabaenopsis Raciborskii WOLOSZ.による著しい水の華(褐色の,Vegetatiousfarbung")が現出した。
(2) しかして,9月上旬の觀測では,1c.c.の湖水中に含まれるAnabaeno-psisの數は30,0000を越した。
(3) Anabaenopsisの夥しい繁殖により湖水の透明度は著しく減少し,16cmと云ふ驚くべき小さい値を示した。
(4) 湖水の反應はAnabacnopsisの水の華形威によつて著しく強アルカリ'性となり(pH≧9.9),水の華期闇中それが磯績した。
(5) Anabaenopsis Raciborskiiの水の華形域は水温約25℃以上に於て可能1であると考へられる。
(6) Aaaccbaenopsis Raciborskiiには明瞭にガス胞が形成せられる。
(7) Anabaenopsis Raciborskiiの休眠胞子が觀察せられた。
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