陸水学雑誌
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64 巻 , 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 奥村 康昭, 遠藤 修一
    2003 年 64 巻 2 号 p. 103-112
    発行日: 2003/08/20
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    ブイ式の気象ステーションを設計・製作し,琵琶湖北湖南部の北小松沖に設置した。観測した項目は,風向・風速・気温と水温か湿度である。データはMCA無線で研究室まで伝送される。観測期間は1998年から2001年の4年間であるが,漁船の当て逃げや,基地局への落雷,太陽電池の能力不足によって,かなりの欠測がある。
    全観測期間の平均風速は3.0m s-1であり,同期間の彦根気象台の平均風速(2.7m s-1)の1.1倍である。
    月平均風速は1月~3月が大きく,6月が一番小さい。彦根と同じく北西と南東の風が卓越する場合が多いが,南~南南東が卓越することもある。
    湖上の気温の年較差は33.3℃であり,彦根の同期間の年較差41.3℃より小さい。また,日較差の年平均値は4.9℃であり,湖外の値よりかなり小さく,湖による気温変化に対する緩和作用を示している。
    2001年の相対湿度の年平均値は75%であり,彦根の71%より少し大きくなっている。簡単なセンサーで比較的精度良く測定できたと考えられる。
  • 広木 幹也, 矢部 徹, 野原 精一, 宇田川 弘勝, 佐竹 潔, 古賀 庸憲, 上野 隆平, 河地 正伸, 渡辺 信
    2003 年 64 巻 2 号 p. 113-120
    発行日: 2003/08/20
    公開日: 2009/12/11
    ジャーナル フリー
    干潟生態系の有機物分解機能を底泥の酵素活性から評価する事を目的として,日本国内5地域(北海道東部,東京湾,伊勢湾,有明海,八重山諸島),13箇所の干潟において夏季干潮時に底泥を採取し,セルロース分解酵素(セルラーゼ,CEL)及びキチン分解酵素(β-アセチルグルコサミニダーゼ,AGA)活性を,それぞれカルボキシルメチルセルロースとp-ニトロフェニル-b-D-グルコサミドを基質として測定した。その結果,CEL活性は2-30nmolg-1h-1,AGA活性は10-140nmolg-1h-1の範囲で干潟問で大きな差が認められた。これらの酵素活性の間には高い相関が見られた。また、これらの酵素活性と底泥の有機物量,シルト粘土含量の間には概ね正の相関が認められ,泥質で有機物含量の高い干潟で酵素活性は高く,分解機能も高いことが示唆された。また,甲殻類の多い干潟ではAGA活性が相対的に高い傾向が見られた。これらの結果から,干潟底泥の酵素活性は干潟の理化学性,生物特性によって大きく変動し,分解機能の指標の一つになると考えられた。
  • 片上 幸美, 中山 恵介, 金 昊燮, 米塚 佐世子, 朴 虎東
    2003 年 64 巻 2 号 p. 121-131
    発行日: 2003/08/20
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    富栄養湖である諏訪湖では例年夏季に有毒藍Microcystisのブルームが発生する。諏訪湖からの流出河川である天竜川において,1998年7月から10月の河川水中のMicrocystis細胞濃度を調査したところ,諏訪湖から32km下流までMicrocystis細胞が観察された。7月から9月中旬にはMicrocystisの細胞濃度は16.5km流下する間に13%,32km下流では8%まで減少した。9月下旬から10月には流下に伴うMicrocystis細胞濃度の減少は緩やかになり,32km下流においても63%のMicrocysris細胞が残存していた。移流拡散モデルを適用し天竜川におけるMicrocystisの動態を解析した結果,Microcystisの細胞濃度は河川の流量変化に最も大きく依存した。またMicrocystis細胞およびコロニーの沈降と河床の濾過作用によっても河川水中のMicrocystis細胞濃度が減少することが示唆された。これは水生昆虫によりMicrocystisが摂食される可能性を示す。従って天竜川において藍藻毒が生態系上位の生物に移行する可能性がある。
  • 芳賀 裕樹, 大塚 泰介
    2003 年 64 巻 2 号 p. 133-139
    発行日: 2003/08/20
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    滋賀県水産試験場が73年にわたって観測した透明度のうち,沖合い3地点(St.II-IV)のデータについて長期的な変遷を統計的手法を用いて解析した。透明度の年平均値についてスプライン関数による最適モデルを求めたところ,St.II,IIIでは低下→横這い→低下→上昇の4区間モデルが最適となった。St.IVでは低下→上昇→低下→横這い→上昇の5区間モデルが最適だったが,St.II,IIIと同様の4区間モデルも2番目に適していた。4区間モデルの場合,区間の境目は3地点でよく一致し1950年付近,1975年付近,1990年付近となった。別の解析方法として1949年以降のデータについて60カ月移動平均を求めたところ,年平均値のスプライン関数モデルと同様の解釈をする事ができた。透明度の経月変化パターンを10年区切りの平均で比較した。1920-50年代には6-8月の透明度のピークの消失が,1980年代・90年代には5月の透明度の著しい低下が特徴として検出された。1990年代の透明度の上昇期には,植物プランクトンの現存量が増加していることから,植物プランクトンのサイズ組成の変化が透明度を規定する重要な要因である可能性が示唆された。
  • 昆野 安彦, 西本 浩之, 丸山 博紀, 鳥居 隆史, 石線 進一
    2003 年 64 巻 2 号 p. 141-144
    発行日: 2003/08/20
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    大雪山高山帯を流れる北海沢(標高1,840m)と赤石川(標高1,830m)において,流水性水生昆虫の組成を調べた。その結果,北海沢からは合計4目10タクサの水生昆虫が採集された。トビケラ目が全個体数の90%を占め,コエグリトビケラ科のコエグリトビケラ属が卓越し,全個体数の78%を占めた。
    赤石川からは2目3タクサの水生昆虫が採集され,オナシカワゲラ科のオナシカワゲラ属だけで全個体数の77%を占めた。両河川に共通する水生昆虫は認められなかった。赤石川のpHが3.1と酸性度が高いことが原因と思われる。
  • 昆野 安彦
    2003 年 64 巻 2 号 p. 145-149
    発行日: 2003/08/20
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    我が国で唯一永久凍土丘のパルサが存在する大雪山平ヶ岳南方湿原(43°37'N,142°54'E,標高1,720m;以下,パルサ湿原)において,池塘に生息する水生昆虫を調べた。その結果,4ヶ所の池塘から合計して5目15種238個体の水生昆虫類が採集された。優占4種はキタアミメトビケラ,ダイセツマメゲンゴロウ,オオナガケシゲンゴロウ,センブリであった。
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