溶存有機炭素濃度(DOC)の温度依存性を明らかにするため,2010年7月1日から2011年6月27日まで,週1回の頻度で汽水湖である宍道湖の湖心において採水を行った。一年間の調査における全有機炭素濃度(TOC)の最大値,最小値,平均値,中央値がそれぞれ4.7,1.9,2.8,2.6 mg L
-1であった。DOCはそれぞれ2.7,1.3,1.9,1.8 mg L
-1,であった。TOCに占めるDOCの割合(DOC/TOC)の最大値,最小値,平均値,中央値はそれぞれ0.86,0.47,0.70,0.72であった。DOCと水温とには相関が見られたが,DOC濃度は水温の増減より若干遅れて連動して増減している傾向があった。DOCが採取された時間に遅れを加えると水温との単相関は高くなり,8.6週(60日)加えた際に相関は最も高くなった。
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