日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
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43 巻, 10 号
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  • 1.下部直腸進行癌に対するMiles拡大手術
    北條 慶一
    1982 年 43 巻 10 号 p. 1057-1059
    発行日: 1982年
    公開日: 2012/07/12
    ジャーナル フリー
  • 2.下部直腸癌に対する仙骨腹式直腸切断術
    江口 英雄, 大木 繁男, 大見 良裕, 辻中 康伸, 中村 清, 田島 滋, 梅本 光明, 松島 誠, 山岡 博之, 城 俊明, 飯田 明 ...
    1982 年 43 巻 10 号 p. 1060-1063
    発行日: 1982年
    公開日: 2012/07/12
    ジャーナル フリー
  • 3.直腸切断術と直腸切除術兼結腸・肛門管吻合術
    安富 正幸
    1982 年 43 巻 10 号 p. 1064-1066
    発行日: 1982年
    公開日: 2012/07/12
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 43 巻 10 号 p. 1067-1077
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
  • 1982 年 43 巻 10 号 p. 1078-1081
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
  • 加辺 純雄, 大森 幸夫, 本田 一郎, 武藤 輝一
    1982 年 43 巻 10 号 p. 1082-1086
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    深達度mの癌を除き,治癒切除が施行された胃癌338例,所属リンパ節10,134個(1例平均30.0個)を用い,間質リンパ球浸潤の臨床病理学的意義につき検討した.
    大森の3段階分類により間質リンパ球浸潤を高度,中等度,軽度~陰性群にわけ,他の胃癌予後規定因子と比較し次の結果を得た.間質リンパ球浸潤の減少にともない: 1) 肉眼分類で浸潤型である3, 4型が増加した; 2) 組織型では,低分化型腺癌が増加し,分化型腺癌が減少した; 3) 間質結合織量では,間質リンパ球浸潤の程度にかかわらず中間型が多いが,髄様型は減少し,硬性型は増加した; 4) INFαが減少し, INFγが増加した; 5) sm, pmが減少し, se, siが増加した; 6)転移リンパ節個数が増加した; 7) n0が減少し, n2が増加した; 8) stageが上昇した; 9) 間質リンパ球浸潤高度群75.7%,中等度群52.6%,軽度~陰性群33.1%と約20%づつ5年生存率が減少した.
    以上より間質リンパ球浸潤は大変優秀な胃癌予後規定因子であり,パラメーターの1つとして十分使用可能と思われる.
  • 三輪 恕昭, 小野 二三雄, 小島 啓明, 鶴身 孝文, 鳩崎 明一, 守山 稔, 折田 薫三
    1982 年 43 巻 10 号 p. 1087-1089
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    胃癌86例にlevamisole (LMS)を1日量150mgで連続3日間投与を隔週毎に1カ月以上継続投与し, 136例の対照群との生存率を術後30カ月まで比較し,併せて免疫療法時の脾臓の存在意義についてみた.その結果, LMSは進行胃癌stage IIIに延命効果をもたらし,特に腫瘍が充分とりきれた治癒切除例で,癌腫の大きさが中等度の,癌の胃壁深達度がserosal exposed (se)の症例に著しかった.多くがstage III胃癌例でしめられる胃切除例での脾臓の存在意義を,非摘脾例,摘脾例,膵脾合切例に分けて生存率でみたが, LMSが延命をもたらしたのは非摘脾例であった.
  • CEAおよび腸上皮化生との関連について
    井口 公雄, 田中 承男, 稲葉 征四郎, 山岸 久一, 橋本 勇, 石橋 治昭
    1982 年 43 巻 10 号 p. 1090-1095
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    胃におこる腸上皮化生は,しばしば見られる所見であり,分化型胃癌の発生との関連が,種々,報告されている.しかし,胆道癌については,その発生母地と腸上皮化生との関連を検討した論文は,少ない.著者らは,最近2年間に経験した胆嚢癌3例と胆管癌3例について,癌病巣内および周辺非癌粘膜を病理組織学的に検索し,胆道粘膜の腸上皮化生と胆道癌の関連について考察を行なった.さらに,血中および胆汁中CEA値との関連についても検討を加えた.
    胆道癌6例中,治癒切除1例,非治癒切除3例,非切除2例で,組織型は,腺癌3例,印環細胞癌,扁平上皮癌,組織型検索不能例,各々1例であった.血中CEA値は, 6例中5例が5ng/ml以上であり,術後低下したのは,治癒切除しえた1例のみで,他は上昇した.血中CEA値は,手術の根治性を判定する指標となりうると考えられた.胆汁中CEA値は,腺癌・印環細胞癌に高く,これらの症例は, CEA蛍光抗体染色間接法により検索したところ,組織内CEAが陽性であった.また,慢性胆嚢炎5例とともに, H-E染色, PAS染色, Alcian-blue染色, Masson Gomori染色により,腸上皮化生を検討したところ,胆嚢炎5例中2例,周辺非癌粘膜4例全例に,刷子縁,杯細胞が認められた.しかし, Paneth細胞は,全例に認められなかった.癌病巣内の腸上皮化生は, CEA産生癌の2例に,刷子縁・杯細胞が認められた.以上のごとく,胆道粘膜における不完全型腸上皮化生が,胆道における腺癌の発生母地と推察された.
  • 東大二外科法と器械吻合器使用による経腹的食道離断術との比較
    武藤 功, 遠藤 良一, 小林 信之, 鈴木 寿彦
    1982 年 43 巻 10 号 p. 1096-1100
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    過去4年間で当院で行なった食道静脈瘤に対する直達手術は11例で,そのうち最初の4例は東大二外科法を行ない後の7例は器械吻合器使用による経腹的食道離断術を行なった.東大二外科法で2例は良好な成績を得られたが, 2例は縫合不全などの併発で手術死亡し,より安全確実な術式の選択という事で,器械吻合器使用による経腹的食道離断術を行なった.その結果は遠隔死亡2例あったが直接死亡は全くなく縫合不全などの合併症もなかった.
    遠隔時再吐血2例あり,この点まだ問題の残る点である.両術式とも吻合部狭窄症状はなかった.東大二外科法で特に問題になる点は二期分割手術を行なった際,脾機能亢進症状の伴う例ではますます脾機能亢進の増強あり,出血傾向の強まる心配があり,このような例では一期に摘脾も行なう必要があると思われた.
    手術時期別にみた場合,予防手術がより安全で,静脈瘤消失により,破裂の危険性がうすれ,社会復帰可能な点より,吐血既往のない食道静脈瘤患者でもより積極的に手術を行なうべきであると思われた.
  • 西 律, 山本 泰久, 田口 忠宏, 藤井 康宏
    1982 年 43 巻 10 号 p. 1101-1108
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    十二指腸ブルンネル腺腫の1例を経験し, 1981年までに本邦文献上集計できた134例と自験例の計135例につき臨床的検討を加えた.年齢は50~69歳が全体の54%を占め, 60歳台が29%と最多であった.男女比は1.2:1,大きさは2.0cm以下が61%で,大部分(91%)は単発で球部に発生している.第II部発生例は12例,多発例9例であった.有茎性のものは55%であった.症状は腹痛や嘔気,腹部膨満感,不快感などの消化器症状が大部分で,自験例の如く出血を主訴とした症例も23例(21%)にみられた.合併疾患は消化性潰瘍が26例と最も多かった.ブルンネル腺腫は十二指腸良性腫瘍の中では最も頻度が高いが,その成因に関しては定説はなく,病理学的には真の腫瘍と考えられていない.自験例は病理学的に過誤腫と考えられる症例であった.
  • 自験4症例を含む本邦報告152例の検討
    河野 裕利, 勝見 正治, 谷口 勝俊, 家田 勝幸, 嶋田 浩介, 岡村 光雄, 栗本 博史
    1982 年 43 巻 10 号 p. 1109-1115
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    胆石イレウスは,胆石症の稀な合併症の1つである.欧米では全イレウスの2%前後,全胆石症患者の0.3~0.5%の頻度で発生するといわれている.本邦では1903年,江口らの報告に始まり, 1960年までの報告例は30例にすぎなかった.しかし1961年以後本邦報告例が急増してきており, 1980年末までの報告例は150例以上に達している.私達は, 1979年と1980年の2年間に4症例を治験した.私達の胆石イレウス4治験例を報告するとともに,記載の明らかな,自験例を含めた本邦報告152例について統計的観察を行った.
  • 角田 徹, 上甲 宏, 山田 剛生, 平良 朝秀, 湯本 二郎, 舟山 仁行, 佐藤 茂範, 田渕 崇文, 徳毛 公人, 湯本 克彦, 金沢 ...
    1982 年 43 巻 10 号 p. 1116-1120
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    ウリによる食餌性イレウスを起した1例
    今回,我々は, 18年前に胃切除術を受け,昨年ウリ摂取により,食餌性イレウスを起した1例を経験したのでここに若干の文献的考察を加え報告する.
    患者は48歳男性で腹部膨満,腹痛を主訴として来院した.腹部XPにて,多数のNiveau認め, 18年前に胃切除術を受けていることも合わせ,癒着性イレウスの診断のもとに開腹した.開腹所見では食餌性異物によるイレウスで,原因物は5×3.5cmのウリであり,胃切除はBillroth-I法で行なわれていた.過去25年間の胃切除術後食餌性イレウスの報告をまとめ,それについて若干の文献的考察を加えたが,閉塞物は柿,シラタキが多いこと,閉塞部位は回腸末端が多いこと,発症は術後平均約8年であったことなどがあげられた.
  • 臼井 隆, 田村 精平, 高田 早苗, 松浦 喜美夫, 井関 恒, 川村 明廣, 山中 康明, 山崎 奨, 荒木 京二郎, 清藤 敬, 緒方 ...
    1982 年 43 巻 10 号 p. 1121-1126
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    膵膿瘍は手術時および剖検時に診断されることが多く術前に診断されることは少ない.原因疾患としては急性膵炎が圧倒的に多く,その他,外傷,胆道系疾患,腫瘍,仮性嚢腫などがあげられる.病態も重篤な例が多く予後不良な疾患である.
    本症例は昭和51年に胆嚢炎の診断で開腹術を受けているが,手術所見における特記事項としては,無石胆嚢炎であり,総胆管は1.5cm径に拡張,乳頭部の通過は良好,膵頭部は弾性硬に触知するが腫瘤は認めず他部は正常という内容であった.昭和56年7月末より上腹部痛および背部痛にて内服加療を受けていたが,同年8月末腹部腫瘤を指摘された. 10月には背部痛増強し入院となるが,入院後大量下血に伴なうショック,肝機能悪化,黄疸出現,高熱の持続などがみられ, 10月23日精密検査および手術目的にて当院紹介入院となった.入院時右上腹部に手挙大の弾性硬,半球状の腫瘤を触知した.膵嚢胞の診断のもとに11月5日手術施行.腫瘤は正常膵組織に被われており,確認のため穿刺を行なったところ黄色,粘稠な膿汁約40cc吸引した.膵嚢胞内に発生した膵膿瘍と診断し,十二指腸上部水平脚と膿瘍壁間に約3cmの内瘻を造設し,さらに内瘻より膿瘍内にネラトンを挿入し,これを経十二指腸的に体外へ誘導し外瘻とした.術後経過は良好で,術後34日めには軽快退院した.
  • 血管造影1000例からみた腹腔動脈分岐様式の検討
    新井 稔明, 高田 忠敬, 福島 靖彦, 武藤 晴臣, 木下 祐宏, 羽生 富士夫
    1982 年 43 巻 10 号 p. 1127-1130
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    今回腹腔動脈が完全に分離した進行胃癌の1例に膵十二指腸切除を行い治癒せしめた経験をもった.症例呈示に加え我々の施設における動脈造影1,000例の分岐パターンを検討し報告する. A)正常腹腔動脈幹693例(69.3%), B)亜型腹腔動脈幹218例(21.8%), C)腹腔動脈不完全分離型, 1)肝脾動脈合流型44例(4.4%), 2)肝脾動脈分離型36例(3.6%), D)腹腔動脈完全分離型2例(0.2%), E)総動脈幹型7例(0.7%)であった.
    このことは腹部外科手術,とくに胃癌に対する拡大根治手術や肝胆膵などの悪性腫瘍に対する根治手術に際し,あらかじめ十分に把握しておかねばならない事柄であることを強調したい.
  • 畠山 元, 大平 雅一, 鬼頭 秀樹, 金 貞斗, 加藤 保之, 久保 敦, 山下 隆史, 紙野 建人, 梅山 馨
    1982 年 43 巻 10 号 p. 1131-1137
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    いずれも治癒切除をおこないえた異時性三重複癌を経験した.
    患者は72歳,女性,第一癌,子宮頚癌(non-keratinizing squamous cell carcinoma), 第二癌,胃癌(poorly differentiated adenocarcinoma), 第三癌, S状結腸癌(well differentiated adenocarcinoma).
    第一癌と第二癌および第二癌と第三癌の間隔はともに5年以上であり,第一癌の子宮頚癌術後にコバルト照射が,第二癌の胃癌術後に制癌剤療法(3年11カ月間)が行なわれている.
    近年の癌の診断,治療の進歩にともない,重複癌の報告は年々増加の傾向にあるが,根治術がなしえた報告はなお少なく,第一癌の根治術後も厳重にfollow upし,重複癌発生の可能性を念頭におき,第二,第三癌を治癒切除可能な時期に発見することが必要である.また三重複癌について若干の文献的考察を加え本邦報告例の集計も行なった.
  • 大島 昌, 丸山 俊之, 金井 昌敦, 坂本 真, 沢井 繁男, 浜田 節雄, 平山 廉三, 広川 勝〓, 田平 礼三
    1982 年 43 巻 10 号 p. 1138-1144
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    Exulceratio simplex (Dieulafoy)-以下ESと略す-は,胃に発生した弧立性の小潰瘍の底部にある異常に太い動脈が侵蝕されて致命的な大出血をおこす危険な疾患である.急激な経過と胃潰瘍よりは高位な上1/3に発生する症例の多いことから, ESに関する予備知識をもって出血源に対する治療を行わない限り救命することが困難であるが,稀な疾患のため手術方法についても一致した見解が示されていない.最近著者らが経験した症例を紹介し,併せて文献的考察を行った.
    症例. 63歳,男性,主訴は吐血,下血,緊急内視鏡所見で胃体部から洞部粘膜に凝血の付着と,その近位側に当る体部後壁に小ポリープを発見した.開腹後に胃切開をおいて調べると小ポリープは露出動脈であった.露出動脈を含めて広範囲胃切除BI法を施行,切除標本では胃体部後壁に径2mmの小びらんと中心に径1.2mmの露出血管を認めた.組織学的所見では潰瘍底は線維素様壊死に陥った動脈で占められ,この動脈はsmを蛇行する異常に太い動脈に連絡していたのでESと診断した.術後の経過は順調であった.
    1892~1981年までに発表されたES84例を調べると,死亡は50例,治癒33例,不明1例である.治癒手術33例の内訳は胃切除と胃全摘が15例,局所切除6例,縫合止血11例,内視鏡下電気凝固1例である.盲目的胃切除では偶然に出血部位が切除されない限り死亡するのに比較して,出血部位を確認した上で異常動脈を縫合止血すると治癒することから考えて, ESの治療は病変部位と大きさを目標にして局所切除または縫合止血を選択すぺきであり,胃切除は必ずしも必要でないと判断した.
  • 田中 忠良, 森重 一郎, 味生 俊, 大西 博三
    1982 年 43 巻 10 号 p. 1145-1150
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    成人腸重積症は全腸重積症の数パーセントにみられるに過ぎないが,小腸重積症は加齢とともに増加するといわれている.成人小腸重積症は成人腸重積症の約40%にみられるが,小腸閉塞をきたす原因疾患の1~4%を占めるに過ぎず,臨床上遭遇することはきわめてまれで,診断も困難である,また,成人腸重積症は小児の場合と異なり,器質的疾患を原因とする例が多く,腫瘍が大きい比率を占めているが,通常,原因疾患は嵌入腸管の先進部にみられるといわれている.著者らは回腸腫瘍による回腸重積症の2例を経験したが,いずれも腫瘍が嵌入腸管の先進部ではなく口側端に存在していたきわめてまれな例を経験したので報告する.
    症例Iは41歳,男性で,約1年間の疝痛発作の後,昭和56年2月1日に疝痛と嘔吐をきたし, 2月3日に当科に入院したが,下腹部に手拳大の腫瘍を触れた.絞扼性イレウスの所見に乏しく,翌2月4日開腹したが,回腸未端から約1m口側の回腸重積症で,整復後約90cmの回腸を切除した.
    症例2は89歳,女性で,昭和56年5月15日突然に下腹部痛と嘔吐をきたし, 5月17日当科に入院した.腫瘍は触れず,絞扼性イレウスの症状に乏しく,経過を観察していたが, 5月19日下血をみたので開腹した.回腸未端から約40cm口側の回腸重積症で,整復不能のため一次的に約60cmの回腸切除を行なった.
    2例ともに嵌入腸管の口側端に腫瘍を認めたが,嵌入口の絞扼による壊死のために,組織診断は不可能であった.
    症例1にみられたような慢性型が成人小腸重積症の特徴で,原因たる器質的疾患は腫瘍がもっとも多いが, 2/3は良性腫癌で,原発性悪性腫瘍は少ないといわれている.このため,手術法は整復した後に小腸切除を行ない,小腸切除を可能な限り少なくするべきであるとされている.
  • 冬広 雄一, 樽谷 英二, 沈 敬浦, 橋本 仁, 坂崎 庄平, 紙野 健人, 梅山 馨, 別府 敬三, 堀 千恵
    1982 年 43 巻 10 号 p. 1151-1157
    発行日: 1982/10/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    原発性アルドステロン症は1955年Connにより初めて記載されて以来,広く認められるようになった疾患であるが,著者らは腺腫による原発性アルドステロン症の2例を経験したので,若干の考察を加えて報告する.
    症例1: 49歳,女性,術前血圧210-100mmHg,血清K 2.6mEq/L,血中アルドステロン値1,600ρg/ml以上で,副腎シンチグラムで右副腎に著明なRIの集積,動脈撮影にて右副腎にtumor stainを認めたが,副腎静脈血samplingによるアルドステロン値は,両側とも1,600ρg/ml以上とscale overを示し,これによる局在診断は不能であった.摘出した右副腎腫瘍は,大きさ,3.5×3.0×2.0cm,重量, 10.5gの腺腫であった.
    症例2: 43歳,女性,術前血圧210-100mmHg血清K 3.3mEq/L,血中アルドステロン値124.0ρ9/mlで,副腎シンチグラムで左副腎にRIの集積,動脈撮影にて左副腎にtumor stkinを認め,副腎静脈血samplingでは,左副腎静脈血中アルドステロン値のみが1,600ρg/mlと異常高値を示し,本症例では副腎静脈血samplingにより患側を診断しえた.摘出した左副腎腫瘍は,大きさ, 1.9×1.5×1.5cm,重量, 2.5gの腺腫であった.
    2症例とも術前の局在診断に成功し,また腫瘍摘出により血中アルドステロンの正常化,高血圧および低K血症の改善が認められ,外科的治療が効を奏した症例であった.
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