日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
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48 巻, 9 号
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  • 鳥谷 裕, 真栄城 兼清, 吉村 茂昭, 二見 喜太郎, 内田 博, 有馬 純孝, 志村 秀彦, 岡崎 正敏
    1987 年 48 巻 9 号 p. 1207-1216
    発行日: 1987/09/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    食道・胃静脈瘤に対し内視鏡的硬化療法(以下EISと略す)を主体に治療を行った126例を対象として, EISの有用性を中心に検討を加えた.肝硬変症(以下LCと略す)・特発性門脈圧亢進症(以下IPHと略す)では,待期治療後非出血例38例中15例に対し初回EIS後約8カ月目に,肝癌症例(以下HCCと略す)では待期治療後非出血例32例中7例に対し初回EIS後約9カ月目に,各々追加EISが施行された.待期治療後出血例はLC・IPHで5例・13%に, HCCで10例・24%に認められ, EIS終了後出血までの期間は前者で約8カ月,後者で約3カ月であった.緊急止血率はLC・IPHで92%, HCCで73%であった.
    出血・再出血例の中には,特殊な血行動態を有している症例もあり, EIS治療後はおよそ3~6カ月毎の内視鏡検査にて追加EISの必要性を検討すると同時に,門脈血行動態の詳細な検索を行い,必要に応じ他の治療方法の併用も試みるべきと思われた.
  • 梅野 寿実, 鳥谷 裕, 秋山 太, 渡辺 良二, 井原 隆昭, 志村 秀彦, 二見 喜太郎, 内田 博, 有馬 純孝
    1987 年 48 巻 9 号 p. 1217-1226
    発行日: 1987/09/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎(UC)手術症例について手術術式を中心に検討した.対象は教室のUC手術例22例であった.手術術式の内訳は,大腸亜全摘,直腸粘膜抜去,回腸肛門吻合術9例,大腸亜全摘,回腸直腸吻合術6例,大腸全摘,永久回腸瘻術5例,第二期手術待期中2例である.手術適応は内科的治療無効14例,出血5例,巨大結腸,大腸癌合併,社会的適応各1例であり,待期手術13例,準緊急,緊急手術9例であった. 22例中19例は全身状態不良にて分割手術を施行した.第一期手術は大腸亜全摘,回腸瘻造設術を行い,二期手術は残存直腸粘膜にUC活動病変があるものは直腸粘膜抜去術,病変が非活動的なものは回直吻合術を主に行った.回直吻合例は良好な排便状態であったが, 4例に再燃がみられた.直腸粘膜抜去,回肛吻合例ではshort cuff法にしてからcuff abscessの合併もなく, 1日排便回数も最終的に6回以下となっており,根治性も高く,最も適した手術法と思われた
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