潰瘍性大腸炎(UC)手術症例について手術術式を中心に検討した.対象は教室のUC手術例22例であった.手術術式の内訳は,大腸亜全摘,直腸粘膜抜去,回腸肛門吻合術9例,大腸亜全摘,回腸直腸吻合術6例,大腸全摘,永久回腸瘻術5例,第二期手術待期中2例である.手術適応は内科的治療無効14例,出血5例,巨大結腸,大腸癌合併,社会的適応各1例であり,待期手術13例,準緊急,緊急手術9例であった. 22例中19例は全身状態不良にて分割手術を施行した.第一期手術は大腸亜全摘,回腸瘻造設術を行い,二期手術は残存直腸粘膜にUC活動病変があるものは直腸粘膜抜去術,病変が非活動的なものは回直吻合術を主に行った.回直吻合例は良好な排便状態であったが, 4例に再燃がみられた.直腸粘膜抜去,回肛吻合例ではshort cuff法にしてからcuff abscessの合併もなく, 1日排便回数も最終的に6回以下となっており,根治性も高く,最も適した手術法と思われた
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