(症例1)41歳,女性,白血球増多の精査目的で当科受診。肝脾腫(-)。WBC 26400, Hb 14.3 g/d
l, Plt 63.7万,NAPscore 21。Ph
1染色体を認めCMLと診断。busulfan投与で汎血球減少となり中止した。骨髄で芽球の増加を認め,移行期と考えVP療法を施行。発病6年後の現在,NAP正常,Ph
1染色体(-), M-bcr再構成(-)。
(症例2)74歳,女性,WBC 14600, Hb 14.7 g/d
l, Plt 78.0万にて当科紹介。脾腫(-)。NAPscore 53, Ph
1染色体認め,CMLと診断,busulfanにより白血球減少し,中止したが,白血球1,900まで低下。骨髄染色体分析で4/20と正常核型がみられた。その後,白血球増加し,i(17q)の付加的異常を伴い,正常核型は消失。2症例ともbusulfanに高い感受性があり,骨髄低形成となり,Ph
1消失したと考えられる。細胞遺伝学的に同じPh
1染色体陽性でも,第1例は完全寛解中,第2例は正常核型を認めたものの急性転化で死亡したことは,CMLの多様性を示すものと考えられる。
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