造血器および精巣腫瘍24例でエトポシド大量療法後に末梢血幹細胞(PBSC)採集を行った。対象は急性リンパ性白血病1例,急性骨髄性白血病(AML) 4例,RAEB-T 1例,悪性リンパ腫11例,悪性組織球症(MH) 1例,多発性骨髄腫2例,精巣腫瘍4例,年齢は30∼74歳,男性20例,女性6例である。エトポシド500 mg/m
2を4日間投与し,G-CSFを併用して,白血球回復期にPBSCを採取した。治療開始後15∼24日に白血球数1,900∼50,000/μ
lで採取を行った。1) PBSC採取量:1回の採取量はCFU-GM数で0.01∼59.4×10
5/kg, 26例中19例(73%)で安全に移植可能な5×10
5/kg以上を採取した。2) 抗腫瘍効果:白血病,RAEB-TではAML 1例が再発し,他の5例は完全寛解を維持した。悪性リンパ腫の13例中10例に評価可能病変が有り,WHO分類でcomplete response (CR) 2例,partial response (PR) 7例,no cahange (NC) 1例であった。多発性骨髄腫2例はNC, 精巣腫瘍はPR 3例,NC 1例であった。3) 末梢血幹細胞移植併用超大量化学療法を11例,のべ15回行い,移植後好中球500/μ
l以上への回復は7∼11日であった。エトポシド大量療法は,効率的な幹細胞動員療法と考えられた。
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