臨床血液
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37 巻, 5 号
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第37回総会
招請講演2
会長講演
教育講演1
教育講演3
シンポジウム4
悪性リンパ腫—疾患概念と組織・細胞・分子知見
症例
  • 杉田 記代子, 金子 隆, 関根 百合子, 田口 信行, 宮内 潤
    1996 年 37 巻 5 号 p. 430-436
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/04/28
    ジャーナル 認証あり
    「5q-症候群」を示すRAEB in Tからmast cell leukemiaへ進展した12歳女児例を報告する。症例は全身倦怠を主訴とし,初診時に貧血と好塩基球様細胞の増加を伴う白血球増多が認められた。末梢血液像および骨髄像では赤血球,顆粒球,巨核球の血球3系統の形態異常と芽球の増加がみられ,RAEB-Tと診断された。骨髄細胞の染色体は5q-のみの異常を認めた。Prednisolone, vitamin D3, oxymetholone, cytosine arabinosideの少量持続療法のいずれにも効果が得られず6カ月の経過で白血病化をきたした。Daunorubicin, enocitabine, etoposide, 6-mercaptopurineによる治療に対しても反応なく汎血球減少,出血,肝脾腫の増大が進行し死亡した。本症例は,1) 白血病化時の染色体検査では5q-は認められず,46, XXの正常核型となっていたこと,2) 電顕的検索より芽球はmast cell blastであり,一部の芽球では同一細胞内にmast cellと好塩基細胞の形質を合わせ持つ中間的細胞が出現していたことに特徴があった。
  • 稲富 由香, 後藤 明彦, 栗山 謙, 桑原 三郎, 林 洸洋, 中野 優, 外山 圭助
    1996 年 37 巻 5 号 p. 437-442
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/04/28
    ジャーナル 認証あり
    症例は56歳男性。高蛋白血症,貧血精査目的にて,1991年11月5日当院入院。連鎖球菌によると思われる重症感染症の既往はない。入院時検査所見では軽度貧血を認め,TP 12 g/dlで,IgGが974 mg/dl, IgAが142 mg/dl, IgMが9,270 mg/dlで,免疫電気泳動ではIgMκ型のM-bowを認めた。血清粘度は6.9と高値,ASLOが6,890 IU/mlと著増,尿検査ではκ型Bence Jones蛋白陽性で,骨髄では形質細胞が43%を占め,蛍光抗体法によりcytoplasmic IgMκ陽性の細胞集団を認めた。頭蓋骨X-Pでpunched-out像がみられた。以上よりIgM型骨髄腫と診断し,血漿交換療法の後にVCAP療法を施行したが無効のため,CHOP療法を行ったところ,IgMは低下し,骨髄の形質細胞も17%に減少した。ASLOもIgMの低下に伴い減少した。これらのことは,本症例のIgMはASLO活性を有していたことを示唆している。
  • 丸箸 圭子, 和田 英男, 谷口 昌史, 小泉 晶一
    1996 年 37 巻 5 号 p. 443-447
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/04/28
    ジャーナル 認証あり
    ATRA内服中に徐脈性洞性不整脈を認めた急性前骨髄球性白血病を経験した。症例は出血斑を主訴とする3歳7カ月男児で,急性前骨髄球性白血病の診断にてATRA投与が開始された。上海製ATRA 45 mg/m2にて開始され90 mg/m2まで増量されるも寛解が得られず,当院転院後135 mg/m2まで増量し寛解導入に成功した。徐脈性洞性不整脈はATRA内服後より認められるようになり,その後はATRA非内服時にも存在したがATRA内服時により増強される印象であった。本例ではAPLに対する治療として今後もATRA内服とanthracycline系薬剤を含む化学療法の併用を予定しており慎重な経過観察が必要であると考えられた。今回の経験よりATRAが洞機能不全を増強もしくは誘発する可能性が示唆された。
短報
  • 宮田 明, 出口 静吾, 藤田 峯治, 菊地 武志, 本多 完次
    1996 年 37 巻 5 号 p. 448-451
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/04/28
    ジャーナル 認証あり
    A 60-year-old male with hepatocellular carcinoma was treated by repeated intra-arterial injection of epirubicin, carboplatin and doxorubicin. Subsequently, radiotherapy and intravenous administration of etoposide were also carried out. Thirty-three months later he developed AML (M2). The chromosome analysis revealed 45, X, -Y, t(8;21)(q22;q22), which suggested that this leukemia was induced by topoisomerase II targeting agents. He was treated with low dose BHAC and G-CSF and achieved complete remission. This leukemia may be caused by synergic effect of topoisomerase II inhibitors and carboplatin together with radiotherapy. This may be the first report of therapy-related leukemia following chemotherapy for hepatocellular carcinoma.
研究会
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