症例は61歳男性。慢性糸球体腎炎の既往あり。1993年3月より,高尿酸血症に対しallopurinol (AL)を内服していた。同年5月,血小板増多のため本院第1回入院。WBC 10,100/μ
l(未熟好中球+, 赤芽球+),Hb 12.7 g/d
l, Plt 971×10
3/μ
l, 末梢血染色体正常。骨髄では著明な線維化を認め,骨髄線維症が疑われた。2カ月後,汎血球減少のため第2回入院。WBC 1,300/μ
l, Hb 6.2 g/d
l, Plt 10×10
3/μ
l, 骨髄は著明な低形成であった。ALによる汎血球減少と考え同剤を中止後,granulocyte-colony stimulating factor (G-CSF), erythropoietin (EPO), oxymetholoneの投与にて,約1カ月半後,3血球系の回復を認めた。回復後の骨髄細胞を汎血球減少時の血清とoxipurinol (OL)の存在下で培養すると,CFU-G, E, Megの著明な抑制が認められた。ALによる汎血球減少は稀で,致死的な報告もみられる。本例はサイトカイン併用療法で比較的短期間に造血の改善をみた。
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