臨床血液
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38 巻, 3 号
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第38回総会
招請講演
特別講演
教育講演1
教育講演3
シンポジウム2
サイトカインレセプターの性状とその異常
臨床研究
  • 井野 晶夫, 山口 哲士, 都築 基弘, 野村 俊之, 宮崎 仁, 丸山 文夫, 小島 博嗣, 岡本 昌隆, 松井 俊和, 江崎 幸治, 平 ...
    1997 年 38 巻 3 号 p. 209-216
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/04/28
    ジャーナル 認証あり
    成人急性骨髄性白血病(M3を除く)32例に対して短期の強力化学療法を行った。daunorubicin, cytosine arabinoside (araC), 6-mercaptopurine, prednisolone, mitoxantrone (MIT)およびetoposide (VP16)による寛解導入(CR)後はMIT-VP16療法,続いてaclarubicin-behenoyl-araC療法,最後にVP16, araC, vincristineおよびvinblastine併用療法を治療間隔を出来るだけ短縮して行い治療終了した。CRは24例(75%)に得られ,全症例の5年無病生存率は24%であった。全治療期間は96∼157(中央値120)日であった。いずれの寛解後療法でも導入療法と同様に高度の骨髄抑制が観察され,1例に寛解中の治療関連死が見られた。この短期治療の治療成績は以前行っていた治療期間515日を要したM84療法と同様であった。今後,短期治療の有用性を明らかにするための多数症例での検討が望まれる。
症例
  • 加納 正, 網谷 良一
    1997 年 38 巻 3 号 p. 217-221
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/04/28
    ジャーナル 認証あり
    上気道から下気道に至る全気道系に多発した髄外性形質細胞腫例を経験した。きわめて稀な症例と考えられるが,形質細胞系腫瘍の分布,あるいは進展に関して示唆に富む症例と考え報告した。[症例]1941年生,男性。1991年肺炎に罹患した際に,肺形質細胞腫が偶然発見された。その後の精査により,上気道から下気道・肺に至るまで,腫瘤,出血を伴う結節性病変などを多数認めた。上気道と肺の病変部の生検では形質細胞腫を確認したが,気管・気管支の病変部の生検は出血の危険を考慮して行われていない。しかし,化学療法を中断した際には,結節性病変の増大と増加を認めた。また,腰椎の魚椎化と骨髄中形質細胞の増生が確認された。専ら気道系にみられた多発性髄外性形質細胞腫の発生機序として,気管内転移あるいは多中心性の発生を推定した。また,本症例にみられた限局性の骨髄腫病変は髄外性形質細胞腫からの転移性病変と想定した。なお,診断後5年以上を経過したが,日常生活ではほとんど支障はない。
  • 澤登 雅一, 中川 靖章, 井上 靖之, 鈴木 憲史, 篠原 多美子, 武村 民子
    1997 年 38 巻 3 号 p. 222-227
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/04/28
    ジャーナル 認証あり
    症例は62歳,女性。88年10月,55歳時に出血症状で初診。白血球数6,700/μl, ヘモグロビン11.3 g/dl, 血小板数4.8万/μl, PAIgG 88.5 ng/107 cells。骨髄正形成で,有核細胞数9.2万/μl, 巨核球数81/μlで,ITPと診断された。ステロイド療法,γグロブリン療法に反応悪く,91年8月脾摘術施行し,2年間,血小板数3万/μl以上を維持。94年11月より白血球数の増加とともに,血小板数が漸減し,95年6月に再入院。白血球数16,500/μl, 血小板数1.9万/μl。骨髄過形成で,有核細胞数26.2万/μl, 巨核球数50/μl, 芽球2.5%, ペルゲル核異常,赤芽球核異常が出現。染色体検査では46, XX, del(20)(q11.2)を50細胞中全細胞に認め慢性骨髄単球性白血病と診断された。ITP様病像が前白血病状態であったという報告や,refractory thrombocytopeniaと呼ばれるITPと鑑別困難なMDSの一亜型も提唱されており,興味深い1例と思われ報告する
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