症例は62歳,女性。88年10月,55歳時に出血症状で初診。白血球数6,700/μ
l, ヘモグロビン11.3 g/d
l, 血小板数4.8万/μ
l, PAIgG 88.5 ng/10
7 cells。骨髄正形成で,有核細胞数9.2万/μ
l, 巨核球数81/μ
lで,ITPと診断された。ステロイド療法,γグロブリン療法に反応悪く,91年8月脾摘術施行し,2年間,血小板数3万/μ
l以上を維持。94年11月より白血球数の増加とともに,血小板数が漸減し,95年6月に再入院。白血球数16,500/μ
l, 血小板数1.9万/μ
l。骨髄過形成で,有核細胞数26.2万/μ
l, 巨核球数50/μ
l, 芽球2.5%, ペルゲル核異常,赤芽球核異常が出現。染色体検査では46, XX, del(20)(q11.2)を50細胞中全細胞に認め慢性骨髄単球性白血病と診断された。ITP様病像が前白血病状態であったという報告や,refractory thrombocytopeniaと呼ばれるITPと鑑別困難なMDSの一亜型も提唱されており,興味深い1例と思われ報告する
抄録全体を表示