特発性血小板減少性紫斑病(ITP)と再生不良性貧血(AA)や骨髄低形成性血小板減少症(HypoT)鑑別にPAIgG, 網状血小板(RP), 血中トロンボポエチン(TPO)値および血小板の大きさのうちいずれの成績が有用か検討した。ITPにおいてRP比率(%RP)は25.2±11.0%と健常人(7.9±2.8)に比べ有意(P<0.001)に高く,感度(82%), 特異性(95%), 予測値(96%)ともに良好であった。一方,AAやHypoTにおいてTPO値(pg/m
l)はそれぞれ355.5±218.7, 376.4±347.2と健常人(36.7±23.0)に比べ著明(P<0.001)に高値で,感度(88%), 特異性(89%), 予測値(86%)ともに良好であった。%RPとTPOの両者を同時に測定し,ITP診断やAA, HypoT診断に適用しても感度,特異性,予測値は有意に上昇しなかった。ITP診断には%RPの測定,AA, HypoT診断にはTPOの測定で十分であると思われた。
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