臨床血液
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40 巻 , 2 号
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第40回総会
会長講演
教育講演10
教育講演12
シンポジウム1
血球貧食症候群
臨床研究
  • 齊藤 宏, 河村 保男
    1999 年 40 巻 2 号 p. 112-118
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/04/28
    ジャーナル 認証あり
    鉄の出納が負の状態における貯蔵鉄の減少率(SID)の測定法を開発した。鉄欠乏性貧血の患者に鉄を静注した後血清フェリチンを時々測定し,片対数グラフ上に記録して血清フェリチン減少曲線を作成する。静注開始日から血清フェリチンが12 μg/lに低下するまでの期間D日を測定する。静注鉄T mg中ヘモグロビン(Hb)の増加に用いられた分R mgは治療前後のHbの差と患者の体重から算出する。Tのうち,一旦貯蔵された後D日間に失われた量はT-Rに相当する。そこで,SIDは次式から求めた。SID=(T-R)/D mg/dayと上記の方法により12名の患者について鉄欠乏の再発日とSIDを測定した。SIDは9.8から0.8 mg/dayであった。出血の多い例ではSIDは高値を示した。SIDと血清フェリチン半減時間との間にはY=248.5 X-1 29 r=0.995の逆相間が認められた。SIDは個人の鉄の負の出納を示すのでSIDを参考にして静注鉄量を選べば個々の患者の治療に適した量になると考えられる。
症例
  • 星 進悦
    1999 年 40 巻 2 号 p. 119-123
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/04/28
    ジャーナル 認証あり
    症例は精神分裂病の41歳男性である。末梢血中にAuer小体陽性幼若細胞が出現し,骨髄ではアズール顆粒が微細または少数で,核が分葉傾向に乏しい異型細胞を多数認めた。ペルオキシダーゼ染色強陽性で,faggot cell様細胞が散見されたのでFAB分類上M3vと診断した。ところが,染色体分析ではt(11;17)(q23;q21)が認められた。all-trans retinoic acid (ATRA)は奏効せず,DNRの代わりにmitoxantroneを用いたMCMP療法で完全寛解となった。しかし,9カ月後に再発し,表面マーカー解析でCD56が陽性で,Myeloid/Natural Killer Cell Acute Leukemiaに属していた。MEC療法も奏効せず,ATRAを2カ月以上投与し,骨髄球・後骨髄球の増多を認めるも次第に白血球数,特に前骨髄球が増加した。CAG療法を試みたが効果なく頭蓋内出血で他界された。本邦で最初の(11;17)転座を示しかつCD56陽性である急性前骨髄球性白血病の症例を報告した。
  • 吉岡 泰子, 川又 紀彦, 佐藤 恵理子, 磯部 泰司, 押味 和夫
    1999 年 40 巻 2 号 p. 124-128
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/04/28
    ジャーナル 認証あり
    症例は44歳男性。96年4月,汎血球減少・発熱を認め近医受診。骨髄生検で著明な骨髄低形成を認め,再生不良性貧血と診断され加療されていた。6月,脾梗塞を疑われ,脾臓摘出術施行された。脾臓組織より悪性リンパ腫(non-Hodgkin's lymphoma, diffuse large, B-cell)と診断され,精査・加療目的で当科入院。入院時骨髄穿刺は吸引不能で,生検でリンパ腫細胞の浸潤を認めた。染色体検査で多彩な異常を認めた。CRP, LDH, 可溶性インターロイキン2レセプター,インターフェロン・ガンマの高値を認めた。各種検査でもリンパ節腫脹を認めなかったため,脾臓原発悪性リンパ腫の骨髄浸潤と診断し,化学療法を施行した。その後,異常検査値は正常化し,骨髄も正形成まで回復し,染色体異常も消失した。6カ月後,発熱で再入院。その後汎血球減少,骨髄低形成の再出現を認めた。染色体検査にて前回と同様の異常を認めたため,悪性リンパ腫の再発と診断された。本例は脾臓原発悪性リンパ腫により二次的に骨髄低形成をきたしたと考えられ,その原因としてサイトカインの関与が示唆された。
  • 伊東 克郎, 柏村 琢也, 小林 功幸, 矢ケ崎 史治, 坂田 亨, 川井 信孝, 松田 晃, 楠本 修也, 福田 正高, 猪野 裕英, 室 ...
    1999 年 40 巻 2 号 p. 129-134
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/04/28
    ジャーナル 認証あり
    症例は78歳の男性。平成6年2月白血球増加を指摘され受診。肝脾腫あり。WBC 95,090/μl, Hb 6.4 g/dl, Plt 15.0万/μl, NAPスコア27, VB12 1,600 pg/ml以上,IgG 4,371 mg/dl(λ型M蛋白)。骨髄は過形成で顆粒球系が著明に増加。形質細胞,単球の増加は認めず。Ph1染色体,BCR遺伝子の再構成共にみられず。Ph1陰性慢性骨髄性白血病(CML)と考えられhydroxyurea, ついでVP-16投与で経過。次第に白血球数のコントロール困難となり,芽球(POX陽性,ブチレート陰性)も増加,平成7年6月肺炎と敗血症にて死亡。本例は経過を通じて単球増加は認めずCMLのFAB分類におけるatypical CML (aCML)に該当すると思われた。本例は血球3系統の形態異常を認め,aCMLとM蛋白血症の合併はともに造血幹細胞の異常から生じた可能性も疑われ,血球分化の点で興味深い症例と思われた。
  • 渡辺 嗣信, 鈴木 靖子, 村上 信司, 小松 眞理
    1999 年 40 巻 2 号 p. 135-139
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/04/28
    ジャーナル 認証あり
    症例1: 79歳,次女。某病院にて多発性骨髄腫と診断され,平成9年12月,骨髄腫治療のため当院に入院となった。血清免疫電気泳動によりIgG-λ型M蛋白が認められ,骨X線でPunched out lesion (+), 骨髄検査で異型性を示す形質細胞が14%を占めた。症例2: 68歳,5女。某病院にて多発性骨髄腫と診断され,骨髄腫治療のため平成9年5月当院紹介入院となった。血清免疫電気泳動によりBence Jones-κ型とIgA-κ型M蛋白が認められ,骨X線でPunched out lesion (+), 骨髄検査で異型性を示す形質細胞が90%を占めた。家族調査で本例2人の姉妹の他,6女が白血病であった。11人兄弟の内3人が血液疾患であったことから,遺伝因子が関与していると考えられたため,HLAを検査した結果,姉はA31, B39, B51, Cw7, 妹はA31, B51, B62, Cw4であった。骨髄腫とHLAとの関連を示す報告が少ないため明らかなことは,今後に期待される。
  • 恵木 容子, 藤本 博昭, 近藤 美知, 代田 常道, 林 徹
    1999 年 40 巻 2 号 p. 140-144
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/04/28
    ジャーナル 認証あり
    症例は61歳男性,1996年10月に左殿部および大腿部における疼痛,腫脹を主訴に入院。LDH, 可溶性IL-2レセプター抗体(sIL-2 R)は異常高値を示し,Gaシンチにて同部に著明な集積を,またMRIのT2強調画像にて筋肉の腫大,境界不鮮明な高信号を認めた。左大腿部生検にて,いわゆる“starry sky pattern”を示した。また腫瘍組織における染色体検査にてt(2;8)(p11;q24)等の異常を認めた。Epstein Barr Virus (EBV)との関連は認めなかった。以上の結果よりBurkittリンパ腫非アフリカ型と診断。CHOP療法および放射線照射を施行した。初回は治療に反応を示したものの,休薬期間中に急速に進展,増悪し,著明な治療抵抗性を示した。本症例のような筋肉内原発のBurkittリンパ腫は現在報告されておらず,興味深い1例と考えられた。
  • 日野 雅之, 山村 亮介, 西木 さおり, 太田 健介, 山根 孝久, 田窪 孝行, 巽 典之
    1999 年 40 巻 2 号 p. 145-149
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/04/28
    ジャーナル 認証あり
    42歳,女性。子宮筋腫核出術後第10病日より白血球減少および網状赤血球減少が出現し,骨髄穿刺の結果,赤芽球の著減と巨大前赤芽球の出現を認めた。パルボウイルスB19抗体はIgM, IgGともに陰性から陽性転化し,polymerase chain reaction (PCR)法でもヒトパルボウイルスB19DNAが検出された。その後,血液検査および骨髄所見は正常に回復した。回復期の骨髄細胞を用い,コロニー形成能に対する急性期血清の影響を調べたところ,CFU-EおよびBFU-E由来の赤芽球系コロニー形成は完全に抑制された。以上より,本症例はパルボウイルスB19感染による急性赤芽球癆と診断した。本症例で手術中に使用された生理的組織接着剤であるフィブリンのりからPCR法によりヒトパルボウイルスB19DNAが検出された。最近,フィブリンのりは術中の止血のために広く用いられており,今後同様の感染に注意が必要である。
短報
  • 吉村 徹郎, 玉井 佳子, 高見 秀樹, 苅谷 克俊, 中畑 理恵子, 対馬 健一, 棟方 昭博, 河村 節子
    1999 年 40 巻 2 号 p. 150-152
    発行日: 1999年
    公開日: 2009/04/28
    ジャーナル 認証あり
    A 37-year-old woman was given a diagnosis of cervical cancer in August 1994. Because of severe thrombocytopenia, she was given radiation therapy at 50 Gy with great effectiveness. The thrombocytopenia was diagnosed as idiopathic thrombocytopenic purpura. Because the patient refused to undergo a splenectomy operation, she was treated with prednisolone, γ-globulin, and danazol with no effect. In January 1995 she began receiving azathioprine and her platelet count gradually increased. In March, she complained of severe left abdominal pain but abdominal computed tomography (CT) scans showed no abnormal findings. Nonetheless, the patient's lumbago persisted and her liver dysfunction was progressive. Abdominal CT scans performed on April 18 disclosed multiple liver tumors. The patient died on April 28. Autopsy revealed that the cervical cancer was the primary origin of the liver tumors. We concluded that extra precautions should be taken when administering immunosuppressive therapy to patients with a history of malignant diseases.
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