症例は9歳,男児。急性リンパ性白血病治療後の二次性慢性骨髄性白血病に対し1998年12月にHLA一致同胞より同種骨髄移植を施行した。急性GVHDはGrade IIで,移植5カ月後より慢性GVHDがみられた。移植9カ月後に呼吸困難が出現し,methylprednisolone (m-PSL)とtacrolimusの投与をおこなったが,呼吸困難が増悪し,移植1年後に肺生検で閉塞性細気管支炎(BO)と診断した。腎機能障害にてtacrolimusの継続が困難となったため,抗胸腺細胞グロブリン(ATG)+m-PSL療法を施行した。経過中にmajor
BCR/ABL mRNAが一時陽性化したが,重篤な合併症はみられなかった。現在,呼吸困難は消失し,呼吸機能検査でもV
50/V
25の低下とpeakflowの増加がみられており,本療法は治療抵抗性の骨髄移植後BOに有効であると思われた。
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