臨床血液
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44 巻, 1 号
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第44回総会
シンポジウム3.標準的治療のない血液疾患—治療の新たな可能性 (II)—
総説
症例
  • 大越 靖, 秋山 秀樹, 井上 崇, 小山 高敏, 河野 奈津, 松村 有子, 水地 大輔, 森 愼一郎, 大橋 一輝, 坂巻 壽
    2003 年 44 巻 1 号 p. 14-18
    発行日: 2003年
    公開日: 2009/07/28
    ジャーナル 認証あり
    症例は78歳の男性。1998年5月に肉眼的血尿とタール便が出現した。入院時,血小板24.5万/μl, PT 7%, APTT検査不能,fibrinogen 453 mg/dl, FDP 5 μg/ml。健常人血漿との補正試験および第V因子(FV)活性1%未満からFVインヒビターと診断した。Western blotで患者血清中に抗第V因子抗体を検出した。新鮮凍結血漿,濃厚血小板およびmethylprednisolone投与で出血傾向は軽快し,PTとAPTT, FV活性はある程度回復した。原因疾患は不明であった。ステロイド減量に伴い再燃を繰り返し,1999年6月からはcyclophosphamide少量内服を併用している。後天性FVインヒビターの多くは高齢者で,外科手術や抗生剤,結核,悪性腫瘍などとの関連が報告されているが,特発性も含まれる。多くは10週以内に軽快し,長期間持続する例は稀であるためここに報告する。
  • 柳元 麻実子, 臼杵 憲祐, 飯島 喜美子, 平井 由児, 壹岐 聖子, 浦部 晶夫
    2003 年 44 巻 1 号 p. 19-24
    発行日: 2003年
    公開日: 2009/07/28
    ジャーナル 認証あり
    症例は82歳女性。主訴はめまい,点状出血。貧血および血小板減少の精査のため入院。骨髄中にミエロペルオキシダーゼ染色陽性の芽球が42%と増加し,背景の有核細胞に形態異常を伴い,acute myeloid leukemia with multilineage dysplasiaと診断した。一方,形質細胞が12%と増加し,血清IgG, IgA, IgMは抑制され,尿中蛋白免疫電気泳動にてλ型Bence Jones蛋白を検出した。尿中蛋白は3,960 mg/dayと増加していた。骨シンチグラフィーにより肋骨に多発集積を認めた。以上より,多発性骨髄腫の合併と診断した。本症例は急性骨髄性白血病と多発性骨髄腫の発癌機序を考える上で,興味深い症例と考えられた。
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