臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
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44 巻, 3 号
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第44回総会
教育講演
プレナリーセッション
総説
症例
  • 川上 恵基, 渡辺 泰行, 門脇 重慶
    2003 年 44 巻 3 号 p. 168-173
    発行日: 2003年
    公開日: 2009/07/28
    ジャーナル 認証あり
    症例は62歳,女性。びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫に対し通常量のCHOP療法6コースおよびMINE療法3コースにて完全寛解が得られたが,治療終了後約4カ月の早期に骨髄異形成症候群(MDS-RA)を発症し,その4カ月後に急性骨髄性白血病(AML-M6)に移行した。MDS, AML-M6いずれの骨髄での染色体検査でも5番,7番の欠失型異常,11q23の異常,del(20)(q11.2)を含めた複雑な異常を示したが,Southern法でのMLL遺伝子の再構成は認められず,RT-PCR法によるMLL遺伝子のtandem duplicationも認められなかった。白血病の進行と肺炎にて死亡したが,剖検では悪性リンパ腫の残存は認められなかった。
  • 吉田 勝彦, 茅野 秀一, 島田 恒幸, 若尾 大輔, 高橋 直樹, 須賀原 裕一, 矢ヶ崎 史治, 伊藤 善啓, 川井 信孝, 松田 晃, ...
    2003 年 44 巻 3 号 p. 174-181
    発行日: 2003年
    公開日: 2009/07/28
    ジャーナル 認証あり
    症例は60歳の女性。2001年5月に全身リンパ節腫脹のため当院を受診。白血球数は25,510/μl, うちリンパ球を93%認めた。骨髄でも有核細胞のうちリンパ球が86%を占めていた。その表面形質はCD5, 19, 20, sIgκが陽性であり,CD23が陰性であった。FISH法でbcl 1/IgHキメラ遺伝子の融合と,生検リンパ節の免疫組織化学でcyclin D1を確認した。以上より,マントル細胞リンパ腫(MCL), 臨床病期IV Aと診断した。CHOP療法とrituximab投与により部分寛解を得たが,2002年3月に再燃し,治療抵抗性となりrituximabを含むsalvage療法を施行したが死亡した。Rituximab再投与後の骨髄の腫瘍細胞はCD5, cyclin D1は陽性であったが,CD20とsIgκは陰性化した。Rituximab投与によりCD20が陰性化する頻度は不明であるが,MCLで2例報告されているにすぎない。本例は非常に興味深い臨床経過をとったMCLであったため報告する。
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