9医療機関を対象に,血小板輸血に関する実態調査を行った。対象となった症例は303例,全輸血回数1864回,総輸血量24455単位であった。基礎疾患は化学療法を伴う血液疾患59.7%, 化学療法を伴わない血液疾患15.5%, 造血幹細胞移植例18.5%, その他2.0%であった。血小板輸血前の患者血小板値(トリガー値)は77.1%でしか測定されていなかった。全平均トリガー値は2.2×10
4/μ
lであり,施設間差(最低1.3×10
4/μ
l, 最高3.2×10
4/μ
l)が認められた。厚生労働省基準のトリガー値2×10
4/μ
l以下が満たされていた輸血は全体の55.3%であった。1回の輸血量は10単位を主体とする施設と,15単位以上を主体とする施設に分かれたが,後者で患者あたりの総輸血量は多い傾向が認められた。血小板トリガー値を2×10
4/μ
l以下を遵守し,1回輸血量を10単位以下にすることで,血小板製剤を節減できる可能性が示された。
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