臨床血液
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47 巻 , 8 号
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Picture in Clinical Hematology
総説
症例報告
  • 赤羽 大悟, 木村 之彦, 住 昌彦, 指田 吾郎, 後藤 明彦, 宮澤 啓介, 大屋敷 一馬
    2006 年 47 巻 8 号 p. 748-752
    発行日: 2006/08/30
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル 認証あり
    症例 ; 27歳, 男性。全身倦怠感を主訴として来院。頚部および縦隔リンパ節腫脹を認め, 検査所見では肺野に異常陰影, 貧血, 高γ-グロブリン血症, CRP陽性, 血沈亢進を認めた。経気管支リンパ節生検, 肺生検から肺病変を伴う全身性Castleman病 (MCD: 形質細胞型) と診断した。化学療法, 縦隔照射を施行したが治療抵抗性であったために, ヒト化抗ヒトIL-6レセプター抗体 (tocilizumab) 8mg/kgを2週間隔で点滴投与した。投与後早期より全身倦怠感や貧血, CRPなどの炎症反応所見の改善が認められ, 2年間の継続投与中も頚部および縦隔リンパ節の著明な縮小を認め, 良好な全身状態が維持された。肺野病変に関しては特に顕著な変化はみられなかった。有害事象はいずれも軽度もしくは中等度であり, 投与中止に至るものは認められなかった。tocilizumabは本症例に奏功しMCDに有効な治療法と考えられるが, 肺病変を中心とする残存病変については今後の検討が待たれる。
  • 村松 崇, 植木 俊充, 大橋 一輝, 根岸 久実子, 鈴木 智一, 設楽 美典, 本間 操, 伊藤 干城, 酒井 美和, 山下 卓也, 秋 ...
    2006 年 47 巻 8 号 p. 753-757
    発行日: 2006/08/30
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル 認証あり
    症例は急性骨髄性白血病 (M4) の51歳男性患者。daunorubicinとcytarabineによる2回の寛解導入療法中の好中球減少時に, 有痛性の陰嚢潰瘍と発熱を認めた。抗菌剤やキャンディン系抗真菌薬は無効で, 多発性の皮下結節と胸部レントゲン上多発性の結節影も併発した。amphotericin Bを投与するも, 連日40℃の高熱の持続し, 重篤な意識障害も併発した。その後, 陰嚢潰瘍部や皮下結節の生検の培養でFusarium solani が同定され, 高用量のvoriconazoleを投与したところ, 1週間後に好中球数の上昇と共に皮下結節は消失, 発熱も軽減し, 全身状態の改善を認めた。
  • 金子 政彦, 鹿田 久治, 河野 秀久, 村岡 正武
    2006 年 47 巻 8 号 p. 758-763
    発行日: 2006/08/30
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル 認証あり
    症例1は72歳, 男性。2000年1月22日の就寝中に突然呼吸困難が出現し, 当院に緊急搬送された。肺血栓塞栓症と診断し未分画ヘパリンの投与が開始された。9日後に血栓症の増悪を認め, さらに14日後には血小板数2.0×104l と低下したため, ヘパリン起因性血小板減少症を疑いヘパリンを中止し, アルガトロバンを開始したところ血小板数は回復した。症例2は62歳, 女性。2001年4月19日の夜間に突然の呼吸困難が出現し, 救急車にて当院に搬送された。急性左心不全を認め, 治療を開始したが未分画ヘパリンも併用した。14日後に血小板数1.7×104l と減少したため, ヘパリン起因性血小板減少症を疑い, ヘパリンを中止しワルファリン内服に変更したところ, 血小板数は回復した。2例とも抗ヘパリン-PF4複合体抗体 (HIT抗体) が陽性であった。
  • 梶原 良介, 後藤 裕明, 柳町 昌克, 黒木 文子, 藤井 久紀, 高橋 浩之, 横田 俊平
    2006 年 47 巻 8 号 p. 764-769
    発行日: 2006/08/30
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル 認証あり
    aleukemic leukemia cutisとは骨髄内に白血病を証明できないが白血病細胞の浸潤による皮疹が生じる病態と定義される。我々はまれな臨床経過をたどったAleukemic leukemia cutisの女児例を経験した。症例は生後4ヶ月から四肢体幹の紅色皮疹の出現消退を繰り返していた。皮疹の病理組織では単球系細胞の浸潤を認めたが確定診断には至らず, 骨髄にも異型細胞を認めなかった。生後9ヶ月, 13ヶ月時に皮疹に加えて発熱, 凝固異常, 末梢血異型リンパ球増加が出現したが自然軽快した。生後14ヶ月時に皮疹の悪化, 白血球増多, 骨髄中に単球系芽球を76.4%認め, 皮膚生検の結果とあわせてleukemia cutisを伴う急性単球性白血病と診断した。約6ヶ月間の標準的な化学療法により完全寛解となったが, 治療終了後6ヶ月に鼠径リンパ節単独再発をきたしたため非血縁骨髄移植を行い現在移植後2年で無病生存中である。
  • 亀岡 淳一, 堀内 高広, 宮村 耕一, 三浦 偉久男, 奥田 光崇, 野村 順, 廣川 誠, 澤田 賢一, 佐々木 毅
    2006 年 47 巻 8 号 p. 770-776
    発行日: 2006/08/30
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル 認証あり
    テトラソミー8は急性骨髄性白血病 (AML) においてまれな染色体異常で, 予後不良因子と考えられている。症例は20歳女性で, 上下肢の紫斑のため入院した。白血球数6.5×109/l (芽球66%), ヘモグロビン値11.2g/dl, 血小板数101×109/l で, 骨髄穿刺検査で, ペルオキシダーゼ陰性αナフチルブチレートエステラーゼ陽性でCD4陽性CD56陽性の芽球を85.6%に認め, 染色体検査ではテトラソミー8が認められた。AML (M5a) の診断で, daunorubicinとcytosine arabinosideによる寛解導入療法が施行され, 完全寛解が得られた。しかし, 4ヶ月後にT12の髄外腫瘍で再発, 寛解が得られない状態で, HLA一致母親をドナーとして同種末梢血幹細胞移植が施行された。移植後の経過は, 右下肢の蜂窩織炎を除いて順調であったが, 49日目に再発し, 73日目に急性腎不全で死亡した。本症例はテトラソミー8の予後不良因子の側面を支持する臨床経過を示した症例と考えられた。
  • 新井 文子, 押川 学, 黒須 哲也, 三木 徹, 東田 修二, 小山 高敏, 村上 直巳, 三浦 修
    2006 年 47 巻 8 号 p. 777-780
    発行日: 2006/08/30
    公開日: 2008/03/14
    ジャーナル 認証あり
    2回の自己末梢血幹細胞移植による寛解後再発, 治療抵抗性となった多発性骨髄腫Bence-Jones (BJ) λ型の60歳女性にbortezomibを投与した。投与16時間後に発熱, 軽度の意識障害, 嘔吐を来し, 一過性に著明なLDH (3608 IU/l ) 上昇とcreatinine, 尿酸, ASTの上昇を認め, 血中Interleukin-6の上昇を伴った。症状は48時間以内に速やかに消退した。26日後にbortezomibを75%に減量しdexamethasone併用で再投与した。発熱や意識障害は認めなかったが, 初回より低いLDHの上昇を認めた。3回目以降はいずれも認めなかった。8回投与終了時, 尿中BJ蛋白及び骨髄腫細胞は消失, bortezomibの効果が確認された。初回投与時の諸症状や検査値異常は腫瘍崩壊症候群に伴うものと考えられ, bortezomib投与時には本症候群に関して注意が必要である。
  • 倉田 義之, 林 悟, 城崎 潔, 小西 一郎, 柏木 浩和, 冨山 佳昭
    2006 年 47 巻 8 号 p. 781-786
    発行日: 2006/08/30
    公開日: 2008/03/14
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    血小板寒冷凝集素による偽性血小板減少症の4例を経験した。症例1は57歳女性で血小板数は9.7万, 症例2は37歳男性で血小板数は9.6万, 症例3は74歳男性で血小板数は2.8万, 症例4は62歳女性で血小板数は3.4万, いずれの症例も抗凝固剤添加血のみならず採血直後の抗凝固剤未添加血においても血小板減少, 塗沫標本で血小板凝集像を認めた。凝集開始温度は症例1と4が10℃, 症例2は24℃であった。凝集素の免疫グロブリンクラスは症例1, 2, 4ともにIgMであった。症例1, 2ともに血小板凝集は認めたが血小板は活性化していなかった。血小板凝集素の対応抗原はGPIIb-IIIaであった。本症の確定診断には抗凝固剤未添加血での血小板減少, 凝集像の確認が重要であると考えられた。本症は非常に稀であるとされているが, 抗凝固剤による偽性血小板減少症として見逃されているのではないかと考えられた。
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