臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
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48 巻, 2 号
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Picture in Clinical Hematology
総説
臨床研究
  • 辻岡 貴之, 和田 秀穂, 矢田 健一郎, 近藤 敏範, 末盛 晋一郎, 徳永 博俊, 大森 公之助, 久保 安孝, 中西 秀和, 三上 誠 ...
    2007 年 48 巻 2 号 p. 134-139
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/08/01
    ジャーナル 認証あり
    当科で治療した消化管原発悪性リンパ腫26例のうち,十二指腸原発濾胞性リンパ腫と診断した8例について臨床像及び治療経過を検討した。年齢は48歳から82歳で中央値は60歳,男女比は4/4。主訴は無症状4例,胸焼け2例,下腹部痛1例,背部痛1例であった。臨床病期は全例I EAであった。上部消化管内視鏡所見は十二指腸乳頭部周囲に白色小顆粒状隆起を認め,6例が第2部に限局,残り2例が第3部あるいは第4部にも病変を認めた。いずれもgrade 1で,免疫染色はCD79a, CD20, CD10, bcl-2陽性であった。FISH法を用いたIgH/bcl-2キメラ遺伝子解析では5例に陽性所見を得た。治療は主に抗CD20モノクローナル抗体を併用した化学療法を施行した。観察期間中央値39ヶ月の時点で7例が完全寛解,1例が部分寛解で他病死1例を除き生存中である。本疾患におけるrituximab併用CHOP (CVP)療法の治療成績は良好である。今後も本疾患に対する最適な治療法を検討する必要があると考えられた。
症例報告
  • 加藤 元博, 菊地 陽, 大嶋 宏一, 山本 将平, 望月 慎史, 新井 心, 花田 良二
    2007 年 48 巻 2 号 p. 140-143
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/08/01
    ジャーナル 認証あり
    骨髄壊死を初発症状として発症した急性リンパ性白血病の小児例を報告する。症例は4才男児で,発熱と下肢痛を主訴に紹介となった。汎血球減少を認めたが,入院時の骨髄検査では壊死細胞が認められるのみで,診断にいたらなかった。しかし,経過観察後の第26入院病日に再度行った骨髄検査ではリンパ芽球を認め,急性リンパ性白血病と診断した。治療経過は順調であり,現在強化療法中であるが寛解を維持している。骨髄壊死は悪性疾患の初発症状としてまれにみられるが,広汎に認め診断に苦慮する場合は,経過観察を行いながら骨髄穿刺を反復することで診断が可能であると考えられた。
  • 金子 仁臣, 松本 雅則, 岡本 浩平, 蝶名林 和久, 菱沢 方勝, 渡邊 光正, 藤村 吉博, 通堂 満
    2007 年 48 巻 2 号 p. 144-147
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/08/01
    ジャーナル 認証あり
    症例は26歳男性。2006年1月1日,嘔吐,発熱があり救急車で来院。見当識障害,点状出血,ヘモグロビン尿,微小血管障害性溶血性貧血,血小板数減少(1.4万/μl)を認め,Thrombotic thrombocytopenic purpura (TTP)と診断した。ステロイドパルスと連日の血漿交換で血小板数は数日間増加したがすぐに1.0万/μl以下となった。血漿交換を継続しつつrituximabとvincristineを投与したところ血小板数は速やかに正常化した。von Willebrand因子切断酵素(ADAMTS13)活性とそのインヒビターの力価は血小板数と相関しており定型的な後天性TTPであった。血漿交換不応の難治性TTPにrituximabとvincristineの併用が奏効した一例を報告する。
  • 佐藤 勉, 井山 諭, 荒木 直子, 村瀬 和幸, 佐藤 康史, 小船 雅義, 瀧本 理修, 松永 卓也, 加藤 淳二, 黒田 裕行, 新津 ...
    2007 年 48 巻 2 号 p. 148-150
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/08/01
    ジャーナル 認証あり
    症例は69歳,女性。活性化部分トロンボプラスチン時間延長(74.3秒)の精査を目的に当科へ紹介入院した。31歳で腎癌に対し左腎摘出術を施行されているが,その際には止血が困難で多量の輸血が必要であった。両親はいとこ結婚。姉妹が3人,子供は2人いるが,いずれにも易出血性のエピソードはない。各種の凝固因子を測定したところ,第XI因子のみに著明な活性低下(1%以下)が認められた。そこで末梢血単核球からDNAを抽出し,第XI因子遺伝子をシークエンスしたところ,コドン400にGGC (Gly)からGTC (Val)へのミスセンス変異がホモで検出された。また,患者の子供2人を検討したところ,APTTはともに正常範囲内であったが,第XI因子活性はそれぞれ62%,57%であった。本邦においては極めて稀な先天性第XI因子欠乏症の一家系を報告する。
例会
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