臨床血液
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50 巻, 7 号
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Picture in Clinical Hematology No.39
第70回日本血液学会総会
シンポジウム7
シンポジウム8
症例報告
  • 日野 東洋, 川谷 恵里, 桑原 伸夫, 富永 正樹, 松石 英城, 増田 正憲, 森 大輔, 権藤 久司
    2009 年 50 巻 7 号 p. 563-567
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/29
    ジャーナル 認証あり
    症例は45歳男性。顔色不良,白血球増多,貧血を主訴に入院。急性骨髄性白血病(WHO分類,多血球系の異形成を伴う初発AML)と診断し,寛解導入療法,地固め療法を実施。寛解期にHLA一致の弟から同種骨髄移植を実施した。Day 7から発熱を認め,呼吸不全,多臓器不全状態へと進展した。胸部のびまん性間質性陰影が認められ,経過中合併したMRSA敗血症が改善した後も残存した。人工呼吸器管理を開始し,抗生物質とともにステロイドの投与および免疫抑制剤の変更(CSP→FK)により呼吸機能は一旦改善したが,ステロイドの減量とともに増悪した。組織学的検査によりCMV肺炎を合併した特発性肺炎症候群と診断した。ガンシクロビルの投与とともに免疫抑制療法を強化(ステロイドの増量およびMMFの追加投与)したところ,しだいに呼吸機能は改善し,day 105に退院となった。移植後早期に合併する特発性肺炎症候群に対しては免疫抑制療法の強化と積極的な呼吸管理を考慮すべきと考えられた。
  • 仲里 朝周, 鈴木 一史, 三原 愛, 真田 幸尚, 柿本 綱之, 吉田 幸子
    2009 年 50 巻 7 号 p. 568-573
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/29
    ジャーナル 認証あり
    症例は82歳男性。平成18年4月,右肺上葉肺癌に対して当院呼吸器外科で右肺上葉切除術を施行。術後外科外来で経過観察されていたが,同年8月に左頸部リンパ節および左鼠径リンパ節腫脹が出現。左頸部リンパ節生検を施行したところdiffuse large B-cell lymphoma (DLBCL)と診断された。細胞表面マーカー解析では,CD2-, sCD3-, CD4+, CD5+, CD8-, CD10-, CD19+, CD20+, CD23+, CD25+, κ+, λ-であった。更にcCD3-, cCD79a+であり二重染色法でCD4+CD19+であることからCD4陽性DLBCLと診断した。臨床病期III AでありR-CHOP療法を計5コース施行。その後現在に至るまで寛解を維持している。T細胞抗原陽性DLBCLはこれまでも報告されているが,CD4陽性DLBCLは文献的に検索し得た範囲では報告がなく極めて稀な症例と考えられた。
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