臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
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51 巻, 8 号
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Picture in Clinical Hematology No.47
第70回日本血液学会総会
学会奨励賞受賞論文
第71回日本血液学会学術集会
シンポジウム4
シンポジウム8
シンポジウム10
シンポジウム11
臨床研究
  • 門馬 由梨子, 品川 篤司, 桂 行孝, 吉田 近思, 千勝 紀生, 工藤 大輔, 米野 琢哉
    2010 年 51 巻 8 号 p. 685-689
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/08/26
    ジャーナル 認証あり
    近年,多発性骨髄腫に対しbortezomib, thalidomideなどの新規薬剤が高い有効性を示しているが,本邦における新規薬剤の適応は再発,難治性多発性骨髄腫に限定されている。難治例と判断する明確な基準はなく,どの時点で新規薬剤へ治療を変更するかの判断が難しい。そこで,VAD1コース後のM蛋白減少率とVAD3コース後の治療奏効程度の関連を検討したところ,1コース後M蛋白減少率が,87.6%(95%信頼区間下限値73.9%)以上で,90%の確率で3コース後M蛋白90%以上減少の達成が期待できることが推定された。3コース後M蛋白減少率90%以上群で,未満群に比較しPFSが延長する傾向がみられた(PFS: 2.2 vs 3.3年,p=0.09)。以上より,VAD1コース終了時点の治療療反応性から,難治例と判断し,新規薬剤へ治療変更を検討することは,根拠ある治療戦略であると考えられた。
症例報告
  • 中村 信元, 矢田 健一郎, 神野 雅, 原田 武志, 藤井 志朗, 三木 浩和, 中野 綾子, 賀川 久美子, 竹内 恭子, 尾崎 修治, ...
    2010 年 51 巻 8 号 p. 690-695
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/08/26
    ジャーナル 認証あり
    67歳男性,背部痛を契機に2001年10月に多発性骨髄腫IgA-λ stage IIIAと診断された。VAD療法5コース後の2003年3月に自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法を行うも再発した。以後,サリドマイド療法などを行うも再燃し,2007年6月入院した。入院後のボルテゾミブ(Bor)療法で,2度の腫瘍崩壊症候群をきたした。その後のCTで右肺上葉,膵尾部,脾臓の腫瘤が急速に出現し,ミカファンギンやボリコナゾールを投与するも,入院85日後に死亡した。剖検で,肺,脾臓に多発性の真菌塊と出血性梗塞が認められ,僧帽弁には真菌塊の疣贅を認め,組織学的に播種性接合菌症と診断した。Bor療法後の腫瘍崩壊によるアシドーシスや,コントロール不良の糖尿病,輸血による鉄過剰,抗真菌薬投与中のブレークスルー感染症などが発症の誘因と考えられた。
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