臨床血液
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52 巻, 8 号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
特集:分子標的治療薬による血液疾患診療の現状と展望(その2)
第71回日本血液学会学術集会
学会奨励賞受賞論文
学会奨励賞受賞論文(臨床研究)
  • 濱 麻人, 吉見 礼美, 坂口 大俊, 土居崎 小夜子, 村松 秀城, 嶋田 明, 高橋 義行, 野沢 和江, 伊藤 雅文, 土田 昌宏, ...
    2011 年 52 巻 8 号 p. 653-658
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/06
    ジャーナル 認証あり
    WHO新分類において小児の芽球増加を伴わないMDSはrefractory cytopenia of childhood (RCC)と分類された。骨髄が低形成で染色体異常がみられなければ再生不良性貧血(AA)との鑑別は困難である。今回,我々は小児AA-97治療研究に登録され,免疫抑制療法を受けた症例のうち,140例の骨髄像を後方視的に以下のように分類し,臨床像を比較した。AA: 異形成なし,AA-RCC境界例:赤芽球に1~10%の異形成,RCC: 2血球系統以上の異形成あるいは1血球系統に10%以上の異形成を認める。骨髄像から,AA 96例(69%), AA-RCC 20例(14%), RCC 24例(17%)に分類された。AA重症度分類ではAAでは最重症,RCCでは中等症を多く含んでいた。急性骨髄性白血病への移行はAAにのみ2例みられた。免疫抑制療法への反応率は3群間で差がみられなかった。今後は分子生物学的手法を用いて両疾患の独立性を明らかにすることが課題である。
第72回日本血液学会学術集会
シンポジウム7
シンポジウム12
症例報告
  • 田中 勝, 角田 三郎, 井上 浩一, 和泉 透, 山本 孝信, 星 サユリ, 平林 かおる, 五十嵐 誠治, 阿久津 美百生, 加納 康彦
    2011 年 52 巻 8 号 p. 703-707
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/06
    ジャーナル 認証あり
    脾臓原発の悪性リンパ腫は一般に極めて頻度が低いと報告されている。当施設で経験した病変の主座が脾臓にある脾臓原発びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(PSDLBCL)について検討を行った。対象は2004年1月から2010年3月まで当施設で診断・治療された悪性リンパ腫333例のうち,PSDLBCLと診断された3症例である。追跡期間中央値は34.6ヵ月(8.7~39.2ヵ月),年齢中央値は72歳(65~73歳),男性2例,女性1例。診断確定は脾摘によらず,3例とも超音波ガイド下経皮的脾臓コアバイオプシーにより安全かつ迅速になされた。病期は3例ともII期以上で,横隔膜,膵尾部,傍大動脈リンパ節への浸潤などが認められた。Hansのアルゴリズムにより1例がGerminal center B cell (GCB) subtype, 2例がnon-GCB subtypeであり,CD5陽性が1例認められた。治療は全例R-CHOP療法後,脾臓に照射を行った。追跡期間は比較的短いものの,現在3例とも完全奏効を維持し,生存中である。
  • 小屋 紘子, 横濱 章彦, 三浦 あやか, 星野 匠臣, 三井 健揮, 小磯 博美, 斉藤 貴之, 内海 英貴, 半田 寛, 平戸 純子, ...
    2011 年 52 巻 8 号 p. 708-712
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/06
    ジャーナル 認証あり
    64歳男性。1999年に低γグロブリン血症,胸腺腫よりGood症候群と診断され,γグロブリン補充療法を受けていた。2005年から舌の扁平苔癬を合併し,プレドニゾロン(PSL)で治療中であった。2009年10月から貧血が進行し,骨髄穿刺で赤芽球比率の低下を認め,赤芽球癆と診断された。シクロスポリンとPSLで治療開始後,網赤血球の増加を認めたものの,舌の痛みが増悪し潰瘍性病変が出現した。同部位の生検組織における免疫染色でサイトメガロウイルス(CMV)および単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染が確認された。ガンシクロビル投与により舌の痛みと潰瘍は数週間で改善した。ウイルス性舌炎はHIV陽性者での報告が多いが,造血幹細胞移植や強力な化学療法・免疫抑制療法を受けた高度の免疫不全患者での報告例も増加しており,これらの病態患者における口腔内病変の鑑別診断として重要である。
  • 小川 吉彦, 西田 恭治, 許 太如, 三木 秀宣, 米本 仁史, 坂東 裕基, 矢嶋 敬史郎, 笠井 大介, 谷口 智宏, 渡邊 大, 上 ...
    2011 年 52 巻 8 号 p. 713-717
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/06
    ジャーナル 認証あり
    インヒビター保有する血友病Bの患者に対して左股関節置換術を施行した症例を経験したため報告する。症例は26歳男性。ハイレスポンダーの抗体を保有する血友病B患者である。左股関節の血友病性関節症に対して左股関節全置換術を施行した。術前の抗体価は,長年にわたり第IX因子製剤を使用していなかったため,入院時には1 BU/mlと低下していた。そのため手術時には第IX因子製剤による中和療法を行い,術中・術後の維持療法にも第IX因子製剤を使用した。術後7日目よりaPTTの延長を認め,免疫応答反応(anamnestic response)により,第IX因子製剤が無効となったと判断し,活性型第VII因子製剤に切り替えた。術後の止血コントロールは良好であり,抗体保有の血友病B患者であっても,安全に大手術を行うことができることが示唆された。
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