症例は,59歳女性。黄疸,腎不全,貧血,高カルシウム血症で緊急入院し,血清中にIgA-λ型のM蛋白を認め,骨髄(BM)検査で形質細胞を22%, 末梢血液検査の白血球分画で形質細胞を23.1%認めprimary plasma cell leukemia (pPCL)と診断した。Prednisolone (PSL), dexamethasone (DEX), methylprednisolone (mPSL)の投与後も総ビリルビンの増加を認めたため,bortezomib 0.7 mg/m
2 (Day1, 4, 8, 11 for 3 weeks)をPSL (40 mg/day)との併用で開始したところ,総ビリルビン値の減少と全身状態の著明な改善を認めた。2コース目からbortezomibを1.0 mg/m
2に増量したが,3コース開始直後に末梢神経障害(peripheral neuropathy: PN)のため中止した。その後1ヵ月の経過観察後の効果判定はvery good partial response (VGPR)であり,予後不良とされるPCLに対する新規治療薬の効果が期待できる。
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