KYCCSGでは1989年から小児NHLに対して継続する二つの治療研究NHL-89, NHL-96を施行した。当時,小児NHLはdiffuse large cell lymphoma (DLC), lymphoblastic lymphoma (LBL), small non-cleaved lymphomaの組織型に分類されており,本研究ではDLC, LBLを対象とした。NHL-89に42例(DLC: 15例,LBL: 27例),NHL-96に34例(DLC: 8例,LBL: 26例)が登録された。DLCにはMTX大量投与を含む寛解導入療法後に,MTX中等量投与を反復した。LBLにはPSL, VCR, CPM, ADR (THP-ADR)による寛解導入療法後に強化療法,頭蓋照射を含むCNS再発予防を行い,維持療法はPSL, VCR, CPM, 6-MPなどによる多剤でのブロック治療とした。全体の5年EFSはNHL-89が76.2±6.6%,NHL-96が67.7±8.0%であり,過去の治療研究NHL-858と比較して成績の向上に成功した。
抄録全体を表示