症例は62歳,男性。近医にてC型慢性肝炎の診断のもとInterferon-β (IFN-β)で治療が開始された。治療開始後29ヶ月2週目にWBC 2,300/μ
l, Hb 7.2g/d
l, PLT 4.7×10
4/μ
l, と汎血球減少を認めIFNを中止。しかし,その後も汎血球減少は進行,LDH 4,898IU/
lと急激な上昇を認め,当科紹介入院となった。精査の結果,悪性貧血と診断,ビタミンB12投与により速やかな改善が得られた。ウイルス性肝炎に対してIFN治療が広く行われている。それに伴って様々な副作用が報告されているが,悪性貧血合併報告は稀である。IFN加療中に貧血を合併した場合,悪性貧血を鑑別する必要があると考えられ報告する。
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