Hodgkinリンパ腫は小児がんの中でも予後良好な疾患の一つである。本邦における本疾患の発症は,年間10数例と極めて少ないため,これまでにまとまった報告がなされず,臨床的背景などの実態は明らかではなかった。今回,1985∼2000年に小児がん治療研究4グループにおいて治療を受けたHodgkinリンパ腫157例を対象として,その臨床的特徴,治療および予後について,後方視的に解析した。157例の内訳は男107例,女50例,発症年齢は中央値10歳1か月(1歳8か月∼17歳8か月)であった。病期はI: 37例(24%), II: 62 (39%), III: 40例 (26%), IV: 18例 (11%)であり,そのうちB症状を認めた症例が50例(32%)であった。ほとんどの症例がcyclophosphamide, vincristine, procarbazine, prednisolone (COPP), doxorubicin, bleomycin, vinblastine, dacarbazine (ABVD)を用いた化学療法を受けており,125例(82%)が6コース以上施行されていた。5年無病生存率は81.5%, 全生存率は94.8%であった。多変量解析により,高リスク,年齢(10歳以上)が予後不良因子としてあげられた。
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