臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
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ISSN-L : 0485-1439
54 巻, 8 号
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Picture in Clinical Hematology
特集:2013 多発性骨髄腫のあらたな潮流
特集:血液内科医が知っておくべき小児血液学
第73回日本血液学会学術集会
学会奨励賞受賞論文
症例報告
  • 宇津 欣和, 青墳 信之, 増田 真一, 松浦 康弘, 脇田 久
    2013 年 54 巻 8 号 p. 759-763
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/05
    ジャーナル 認証あり
    51歳女性。7年前に左浸潤性乳管がん・腋窩リンパ節転移・肝転移と診断され,アンスラサイクリンとタキサンベースの化学療法に続き,リュープロレリンおよび抗エストロゲン製剤による内分泌療法を施行。1年半前に骨転移による疼痛のため頚椎へ定位照射施行,5ヶ月前に放射性同位元素内用剤89Srを投与した。その後徐々に汎血球減少が進行し,やがて輸血依存となったため当科紹介。骨髄液の鏡検では重度低形成のため確定診断に至らなかったが,PML-RARA FISHが陽性となり,急性前骨髄球性白血病(APL)と診断した。全トランスレチノイン酸を投与し,約3週間で造血が回復し,顆粒球の分化が見られるようになった。経過を通じて播種性血管内凝固や分化症候群は見られなかった。これまで89Sr投与後に発症したAPLは報告されておらず,本症例は発症経過も非典型的であり,治療関連白血病の診断治療にはその特殊性を考慮した診療が求められると考えられた。
  • 周山 拓也, 小原 直, 河合 弘二, 山田 健二, 日下部 学, 栗田 尚樹, 錦井 秀和, 横山 泰久, 鈴川 和己, 長谷川 雄一, ...
    2013 年 54 巻 8 号 p. 764-768
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/05
    ジャーナル 認証あり
    症例は30歳男性。26歳時に精巣悪性混合型胚細胞腫瘍を発症。手術・化学療法が施行され,経過観察されていた。胚細胞腫瘍発症から4年後,汎血球減少,LDH上昇が出現し,血液内科に紹介。骨髄のライト・ギムザ染色では芽球様細胞が95%以上を占めており,これらの細胞はミエロペルオキシダーゼ(MPO)染色陰性であった。病理学的には急性骨髄性白血病(AML)に矛盾しなかった。フローサイトメトリーでは大部分がCD45-CD34+CD13+であった。骨髄・精巣腫瘍検体を用いたfluorescence in situ hybridization法にて,両検体で第12染色体短腕領域の増幅を認めた。AMLに準じた寛解導入療法により寛解を得たのち,地固め療法に続いてHLA一致同胞より同種造血幹細胞移植を施行した。移植後1年以上血液学的寛解を維持し,精巣腫瘍の再発も認めていない。本症例の骨髄腫瘍は,FISH検査にて類似の異常を認めることから精巣胚細胞性腫瘍と共通起源を持つ細胞に由来し,AMLとほぼ同様の病態を呈したものと考えられる。
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