臨床血液
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55 巻, 1 号
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Picture in Clinical Hematology
特集:造血器疾患 ―最新の治療戦略―
特集:造血器疾患 ―最新の治療戦略(赤血球系疾患)―
特集:造血器疾患 ―最新の治療戦略(骨髄系疾患)―
特集:造血器疾患 ―最新の治療戦略(血小板・凝固・線溶系疾患)―
臨床研究
  • 畑中 重克, 市原 弘善, 青山 泰孝, 康 史朗, 山村 亮介, 久村 岳央, 小坂 さおり, 稲葉 晃子, 太田 健介, 麥谷 安津子
    2013 年 55 巻 1 号 p. 105-109
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/04
    ジャーナル 認証あり
    発熱性好中球減少症(FN)という極めて特殊な病態におけるプロカルシトニン(PCT)値測定の有用性を明らかにするために,FN出現時およびFN出現後12~24時間の2点においてイムノクロマトグラフィー法(ICA法)と電気化学発光法(ECLIA法)でPCTを測定し,両者の相関および関連性について調べた。
    ICA法とECLIA法の相関についてはスピアマンの順位相関係数が0.878で強い相関がみられ,関連性についてもフィッシャーの直接確率P=4.68×10-10となり両法は関連していた。特別な機器を必要とせず,操作も簡単で現在多くの施設で導入されているICA法が,FNという特殊な病態においても標準法と同等に使用できることが示された。
  • 岡田 恵子, 中野 嘉子, 山崎 夏維, 田中 千賀, 藤崎 弘之, 大杉 夕子, 原 純一
    2014 年 55 巻 1 号 p. 110-119
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/02/04
    ジャーナル 認証あり
    当科で2005年7月~2012年12月に行った血縁者間HLA 2~3座不一致造血幹細胞移植(HLA半合致移植)25例(年齢中央値:8歳)を後方視的に解析した。疾患は,急性リンパ性白血病13例・急性骨髄性白血病8例・その他4例で,移植後再発や寛解導入困難など絶対予後不良例であった。骨髄破壊的前処置を原則とし,8例は患者状態から骨髄非破壊的前処置を使用した。GVHD予防はtacrolimus+sMTXで,3例を除き原則的にATGは用いなかった。3年全生存率,無病生存率は,35.6±10.0, 31.3±10.1%(観察期間中央値:49ヶ月)で,14例が原病死した。Grade III~IVの急性GVHDを7例,extensive型慢性GVHDを11例で認めたが,移植関連死亡は急性GVHDによる2例のみであった。寛解期移植8例中4例,非寛解期移植17例中4例で長期寛解を得ているが,成績向上のためにはさらなる工夫が必要と思われた。
症例報告
  • 佐分利 益穂, 井谷 和人, 長松 顕太郎, 宮崎 泰彦, 大塚 英一, 卜部 省吾, 佐分利 能生
    2014 年 55 巻 1 号 p. 120-124
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/02/04
    ジャーナル 認証あり
    28歳,男性。2011年3月より口腔粘膜および咽頭の疼痛を自覚し,次第に発熱と頬部腫脹を伴うようになった。2012年3月に歯肉生検で節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型(extranodal natural killer/T-cell lymphoma, nasal type; ENKL)と診断された。18F-FDG-PETで口腔,扁桃,顎骨,肩甲骨,上腕骨,腸骨,大腿骨,脾臓にFDG集積が多発していた。進行期ENKLへの有効性が報告されているSMILE (dexamethasone, methotrexate, ifosfamide, L-asparaginase, etoposide)療法を2コース行うも,stable diseaseであった。しかし大量methotrexate/cytarabine (MA)療法が奏効し,3コース後にpartial responseとなった。引き続き非血縁者間骨髄移植を行い,移植後10ヶ月間,再発なく経過している。SMILE療法抵抗性ENKLに対する治療レジメンは確立されておらず,本症例の経過からMA療法は有効な治療法になる可能性が示唆された。
  • 清水 隆之, 森 毅彦, 雁金 大樹, 菊池 拓, 甲田 祐也, 外山 高朗, 中島 秀明, 岡本 真一郎
    2014 年 55 巻 1 号 p. 125-129
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/02/04
    ジャーナル 認証あり
    症例は63歳,男性。治療抵抗性の骨髄異形成症候群の白血化に対してhydroxyurea (hydroxycarbamide)が投与された。当初500 mg/日から開始されたが,効果不十分であったため,投薬開始5日目から1,500 mg/日へ増量された。投薬開始8日目に悪寒,発熱,嘔吐が出現し,当院外来を受診した。受診時,前日に44, 59 IU/lであったaspartate aminotransferase (AST)およびalanine aminotransferase (ALT)が5,098, 3,880 IU/lまで上昇し,緊急入院となった。各種ウイルス検査は陰性であった。Hydroxyureaを中止し,保存的な加療により肝機能異常は急速に改善し,約2週間で前値にまで回復した。肝障害出現時に施行したhydroxyureaによる薬剤リンパ球刺激試験がstimulating index 2.0と陽性であった。Hydroxyureaの副作用として肝障害は知られているが,発熱や消化器症状を伴うこれらの一連の病態の機序として薬剤アレルギーの関与を示した報告は少ない。アレルギーが関与した場合,急激かつ重篤な肝障害を惹起する可能性があり,慎重な管理が求められる。
短報
  • 斉藤 誠, 泉山 康, 盛 暁生, 入江 達朗, 田中 雅則, 森岡 正信, 佐賀 啓良, 武藏 学, 加藤 貴司, 目黒 高志, 谷野 美 ...
    2014 年 55 巻 1 号 p. 130-132
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/02/04
    ジャーナル 認証あり
    Tyrosine kinase inhibitors (TKIs) are highly effective in the treatment of chronic myelogenous leukemia (CML), but there have been a few adverse event reports describing gastrointestinal bleeding. We clinically analyzed two patients who developed intestinal bleeding during the administration of TKIs for CML. Platelet counts of both patients were normal. The patients showed endoscopic findings characterized by mildly hemorrhagic mucosa. The imatinib patient was diagnosed by capsule endoscopy of the small intestine, and required frequent blood transfusions. The dasatinib patient showed occult bleeding due to CD8-positive colitis. We should adequately recognize that gastrointestinal bleeding may occur during the administration of TKIs.
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