臨床血液
Online ISSN : 1882-0824
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55 巻, 7 号
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Picture in Clinical Hematology
第75回日本血液学会学術集会
Symposium 6
Symposium 7
シンポジウム 8
シンポジウム 9
症例報告
  • 井田 桃里, 林 和直, 井田 徹, 平野 聡子, 中村 文枝, 曽根 博仁, 藤原 正博
    2014 年 55 巻 7 号 p. 808-814
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/08/05
    ジャーナル 認証あり
    消化管出血症状が著明な全身性ALアミロイドーシスに対してボルテゾミブが著効した貴重な症例を報告する。83歳女性。食欲不振を主訴に受診し,上部消化管内視鏡検査で多発胃潰瘍と診断された。病理組織学的検査でALアミロイドの沈着が証明され,精査加療目的に入院した。皮膚生検でもアミロイドの沈着が証明され,またIgG-λ型Mタンパク血症を有し,全身性・原発性ALアミロイドーシスと診断された。心筋,膀胱,下部消化管へのアミロイドの沈着も疑われたが,止血困難な胃粘膜出血,皮下出血斑,血尿と出血症状が著しく,侵襲的な全身検索は施行できなかった。ボルテゾミブ・デキサメタゾンを用いた治療を開始し,全身の出血症状は軽快した。治療継続1年後には明らかな出血症状は認めないものの,病理組織学的検査で胃粘膜と皮下に依然としてアミロイドの沈着を認めた。
  • 豊田 康祐, 安部 康信, 津田 麻理子, 土師 正二郎, 崔 日承, 末廣 陽子, 喜安 純一, 大島 孝一, 鵜池 直邦
    2014 年 55 巻 7 号 p. 815-819
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/08/05
    ジャーナル 認証あり
    Primary effusion lymphoma (PEL)は体腔液中に限局して腫瘍細胞が増殖する稀なB細胞性リンパ腫であり,原則的に明らかな腫瘤形成は認められないとされ,human herpes virus 8 (HHV8)感染が陽性である。しかしながら本邦を中心にHHV8感染が認められないPEL類似の症例も報告されており,これらをPEL-like lymphoma (PEL-LL)とする疾患群も提唱されている。今回我々は胸水貯留で発症したPEL-LLを経験した。心疾患を有する70歳男性であり,リツキシマブ併用経口ソブゾキサン,エトポシド少量療法にて7か月間完全奏効を維持している。PEL-LLはPELと比較し,予後良好であることが報告されており,CD20抗原が陽性であることからリツキシマブの追加効果が期待されている。PEL-LLは高齢者に多い疾患であり,より忍容性のある有効な治療法の開発が期待される。
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