肝脾原発CD5陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(CD5
+ DLBCL)は,リンパ節腫脹を欠くが肝脾腫を呈し,肝の門脈域・類洞内や骨髄浸潤を認めるサブグループとして最近提唱された。症例は45歳,男性。2013年6月に発熱・倦怠感のため受診した。CTで肝脾腫と多発肝腫瘍を認めたが,リンパ節腫脹はなかった。超音波ガイド下肝腫瘍生検で門脈と類洞にCD5・CD20陽性リンパ腫細胞が浸潤し,高度の肝細胞変性を認め,肝脾原発CD5
+ DLBCLと診断した。入院後白血化し,骨髄浸潤が明らかとなった。入院時の肝細胞増殖因子(HGF)は増加し,第7病日には肝機能障害とクレアチン値上昇を認めた。このため血漿交換と持続血液透析濾過法を併用して,rituximab併用CHOP療法を減量して行ったところ完全寛解を得た。HGFは急性肝障害の予測に役立つため,HGFの上昇をみた場合は血漿交換併用寛解導入療法が必要である。
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