本研究は,大学女子サッカー選手を対象にスプリントトレーニングを実施し,その有効性を検証するとともに,指導現場における実践的な知見を得ることを目的とした.高い疾走速度の獲得要因および疾走動作の特徴を抽出し,独自に女子サッカー選手のスプリント能力向上を図るトレーニングプログラムを考案し実施した.トレーニングは,スキップ,バウンディング,マーカー走やハードル走,ジャンプ種目を20~30 分/ 回,2 回/ 週,8 週間実施した.フィジカルテストは,30m Sprint, 10m × 5 シャトルラン,アローヘッドアジリティテスト,垂直跳,立幅跳,リバウンドジャンプを介入の前後で実施した.30m Sprint,10m × 5 シャトルラン,垂直跳,リバウンドジャンプは有意な改善が認められたが,アローヘッドアジリティテストと立幅跳では改善が認められなかった.30m Sprint では,ストライドは維持しピッチは有意に増加し,トレーニングプログラムの有効性が示唆された.しかし,サッカーの重要な要素であるアジリティ能力の種目のアローヘッドアジリティテストでは改善は認められず,サッカーのスプリントトレーニングにおいて競技の特異性を考慮したトレーニングを行う必要性が示唆された.
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