スポーツパフォーマンス研究
Online ISSN : 2187-1787
7 巻
選択された号の論文の30件中1~30を表示しています
  • 前阪 茂樹, 木原 健太, 藤田 英二, 竹中 健太郎, 下川 美佳, 竹島 伸生
    2015 年7 巻 p. 381-389
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    電子付録
    本研究は大学生剣道競技者を対象に同じ武道の柔道競技者との比較から剣道競技者のバランス能の特徴を評価した。 15 年程度継続している剣道競技者10 名と同柔道競技者10 名の総数20 名を対象(平均年齢22±1 歳)とした。バランス能の指標は, 1)静的バランスとして重心動揺速度 (Sway Velocity: SV), 2)動的バランス指標として安定性の限界値(Limits of Stability: LOS)とした。SV は,固い台上および柔らかい台上での開眼および閉眼時とそれらを総合した変数(composite: comp)で評価した。LOS は,初期到達点(EXE),最高到達点(MXE),反応時間(RT), 平均移動速度時間(MVL)および方向制御(DCL)とした。テストは,8方向(前後左右斜め)の総合値(comp)を指標とした。2群間の身長,体重およびBMI には有意差が認められず,形態的な相違がなかった。静的バランス指標はいずれの指標も群間に有意差が認められなかった。動的バランス指標は,RTcomp とMVLcomp に有意差が認められた。大学剣道競技者は柔道競技者に比べ,反応時間,移動速度が速いという特徴が示された。このことから敏捷性,神経-筋機能の点で柔道選手よりも反応時間が短く,移動速度が速いという能力が示唆されたが,競技の継続による縦断的観察を含めてさらに検討する必要がある。
  • 山地 啓司, 井口 文雄, 橋爪 和夫
    2015 年7 巻 p. 370-380
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    日本を代表する競歩選手のサロマ湖 100-㎞レース前・後の生理的応答に関する比較を行った.レースは2006 年6 月に開催され、多数のランナーに交じって100-㎞をウォーキング(競歩)で完歩した.そのタイムは9 時間09 分であった。体重の低下はわずか0.1kg、最大作業時の肺換気量(VE)と最大酸素摂取量(VO2max)はそれぞれ54.0 L・min-1(34.0%)と0.481 L・min-1(11.4%)低下した.VEの低下は呼吸数(f)の7breaths・min-1(9.2%)、1 回換気量(VT)の0.57 L・min-1(26.9%)の大幅な低下に原因した.さらに、換気当量(VE/VO2)は24.9%低下した.最大下作業時のウォーキングスピードが120~240m・min-1 の範囲では、レース後のVE は19.4~29.5%低下し、その低下がf の 12.0~35.4 %とVT の-10.1~8.8%の低下に負うことが明らかになった. しかし、最大・最大下のウォーキング中に心拍数(HRmax)、血中乳酸濃度(LT)、主観的運動強度(RPE)にはほとんど差がみられなかった.100-㎞レース(競歩)の3 日後に低換気症候群(hypoventilation syndrome)が認められた.従って、本被験者や競技力の高い競歩選手がさらなるパフォーマンス向上をねらう場合、呼吸筋の疲労度の軽減や速やかな回復を図るために呼吸筋のトレーニングを行うことも、一考に値すると考える.
  • 宮代 賢治, 山元 康平, 内藤 景, 谷川 聡, 西嶋 尚彦
    2015 年7 巻 p. 356-369
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,男子競技者を対象に100m 走の記録,身長,および風速と,通過時間および区間時間との関係を検証し,記録・身長・風速別の標準通過時間および標準区間時間を算出する推定式を作成することであった. 日本人男子競技者112 名( 記録範囲は10.05―11.06s ,身長範囲は1.64―1.88m,風速範囲は-2.2 - +2.0m/s)の100m 走を撮影し,30m 地点,60m 地点,および90m 地点の通過時間と,30m 地点から60m 地点,60m 地点から90m 地点,および90m 地点からゴール地点までの区間時間を測定した.ステップワイズ法による重回帰分析の結果,100m 走の記録・身長・風速別の標準通過時間および標準区間時間を算出する重回帰式が作成された.このことは,記録だけでなく身長および風速に留意して,100m 走のレース展開を評価することの重要性を示唆している.これらの重回帰式を用いて,競技者のレース展開の特徴を,より具体的かつ正確に示すことができる.また,コーチや競技者は重回帰式を利用すれば,身長別に目標記録を達成するために必要な通過時間および区間時間を想定しながら,競技者のトレーニングを進めることが可能になる.
  • 小宮山 悟, 勝亦 陽一, 福永 哲夫
    2015 年7 巻 p. 346-355
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、2005年にプロ野球日本選手権シリーズ試合で優勝した千葉ロッテマリーンズ(以下、マリーンズ)において、シーズン中に実際に行われていたゲーム分析データの活用事例を示すこと、および野球のゲーム分析データを活用する方法について検討することであった。まず、マリーンズで使用されていた、対戦する打者の特徴を視覚的に図や動画によって示したデータ資料、および具体的な指示を図や文章によって記した指示資料を示した。また、ゲーム分析データの活用事例として、日本シリーズ第1戦におけるマリーンズ投手の配球および相手打者の打撃結果を示した。これらの結果および2005年にマリーンズで投手をしていた著者の経験を併せて考慮したところ、マリーンズの日本一には、ゲーム分析者、ゲーム分析データから戦術を考える者、戦術を実践する選手の三者が非常にうまく機能していたことが推察された。最後に、著者の選手経験を踏まえ、これからのゲーム分析データ活用法について議論した。データ(客観)と選手の印象(主観)とのギャップを解消すること、分析ソフト、データ入力者および分析者の能力を改善することが重要であることが考えられた。
  • 木内 誠, 鷲谷 浩輔, 早坂 一成
    2015 年7 巻 p. 334-345
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    本研究は7 人制ラグビー(以下,7 人制と略す)と15 人制ラグビー(以下,15 人制と略す)のタックル様相とタックル後のプレー結果について比較し,7 人制のタックルがその後の結果とどのように関係するのかを明らかにすることを目的とした.標本として7 人制ではHSBC Sevens World Series のうち,世界ランキング10 位以内同士の試合,20 試合を対象とし,15 人制では2014 年に行われた世界ランキング10位以内同士の試合,10 試合を対象とした.分析項目は1)タックル数,2)タックルの高さ,3)方向,4)人数,5)キャリアーの倒立,6)タックルの結果,7)次プレーの結果の7 つに分類し,記述的ゲームパフォーマンス分析を行った.主な結果は以下のとおりである. 1. 7 人制はタックル回数が少ない. 2. 7 人制は15 人制と比べ,攻撃側の後方からのタックルを一人で行うことが多い. 3. 7 人制は15 人制と比べ,タックルを受けた後も立っていることが多く,接点ハンドリング(ディフェンスにタックルされながら味方のサポートプレーヤーにパスをすること)が多くなった. 4. 7 人制は,1 回のタックルがトライやターンオーバーに繋がる可能性が高い.
  • 萩原 正大, 石井 泰光
    2015 年7 巻 p. 320-333
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    本研究では,ウィンドサーフィン競技の模擬レースにおける移動様相の特徴を捉え,レースの上位選手と下位選手の特徴について検討した.その結果,上位選手の特徴として,アップウィンドでは,「帆走速度が高く,帆走角度が小さい」ため,「VMC が高く,帆走距離が短くなる」ことが示された.上位選手では,小さい帆走角度でも高い帆走速度を獲得できるため,帆走距離が短くできると考えられた.ダウンウィンドでは,「下位選手と同程度の帆走角度であっても,帆走速度を高めることでVMC が高くなる」ことが示された.スタート局面における移動様相の特徴について,上位選手では,「スタート時の艇とスタートラインとの距離が短いこと」,「スタート時に加速のためのスペースを有すること」,「スタートの0-5 秒後から高い帆走速度を有すること」および「スタート局面を通して帆走速度およびVMC が高く,帆走角度が小さいこと」が示された.一方で下位選手では,「帆走位置が他艇(先行艇,風上艇)に対して不利な位置であること」が考えられた.本研究結果は,模擬レースの上位選手と下位選手における移動様相の特徴を示すもので,レース順位を高めるための一助になると考えられる.
  • 自転車競技・短距離種目の導入・初期発達段階における技術・戦術的トレーニングのポイントを探る
    山口 大貴, 黒川 剛, 荒木 就平, 金高 宏文
    2015 年7 巻 p. 300-319
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    電子付録
    本研究は,大学3 年次直前から陸上競技・跳躍種目から自転車競技・短距離へ種目転向し,約1 年半で1 ㎞ TT のタイムを1 分38 秒4(手動)から1 分06 秒221 へ更新し,大学競技選手権で全国入賞した大学自転車競技者の過程を報告した.特に,自転車競技・短距離種目の転向における技術・戦術的トレーニングのポイントについて検討した.ペダリング技術やスタート技術の習得では,股関節の伸展動作を意識させる補助練習を積極的に実施することにより,「臀部使用のペダリング技術」「股関節伸展を意識したスタート技術」「1 ㎞ TT におけるペース配分」を習得したことが短期間の競技力向上を果たしたと考えられた.
  • 村松 憲, 髙橋 仁大, 梅林 薫
    2015 年7 巻 p. 292-299
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    テニスにおいてトップ選手のボールの速度と回転量の両方を把握することは、大変重要なことであると考えられる。これまでボール速度と回転量の両方を報告している研究は殆どなく、我々の知る限り、村松ほか(2015)が世界トップクラス選手のサービスについて報告しているのが唯一の研究であり、フォアハンドグラウンドストロークについての報告は見当たらない。そこで我々は世界ランキング1 位の男子テニス選手のフォアハンドグラウンドストロークについて、試合中のボール速度と回転量の両方に注目するとともに、両者の関係について考察した。ボール速度については、試合当日のサービス速度データを保管しているHawk-Eye 社から提供を受けた。ボール回転量については高速度カメラで2000fps にて撮影を行った。ボール速度から回転量を予測する回帰式は有意であり、回転量(rpm) = -33.2×速度(km/h) + 7878 という関係が得られた。全16 ショットの平均速度は132km/h、平均回転量は3486rpmであった。このデータは、競技力向上を目指す選手やそのコーチにとって、有用な指標となると考えられる。
  • スリッパ着用と動作幇助による打ち込み稽古法の提案
    下川 美佳, 遠藤 まどか, 金高 宏文, 椿 武, 竹中 健太郎
    2015 年7 巻 p. 278-291
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    電子付録
    剣道では,気剣体一致の打突が要求される.特に,「体」では下肢運動が起動源となり,正しい足構えから,送り足により踏み出して移動し,正しい足構えに戻るという足さばきが重要であり,足さばきの習得は,剣道の技術向上のために不可欠といえよう.本研究では,この「体」の基礎である足さばきの中で,悪癖とされている「跳ね足」を改善するための稽古方法に着目し,「跳ね足」を課題としている競技者一人に対し,スリッパを用いた稽古案を提示し,取り組んだ改善過程を報告するものである.改善効果については,「跳ね足」を課題とする競技者と「跳ね足」ではない競技者のスリッパを用いた試技と,用いない試技とを映像および分解写真を用いて比較し,その有効性等について検討した.
  • 水崎 佑毅, 前川 尚也, 中本 浩揮, 幾留 沙智, 小笠 希将, 竹内 竜也, 宮崎 俊輔, 森 司朗
    2015 年7 巻 p. 255-266
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    野球投手のパフォーマンスを決定づけるものの一つに制球力がある.指導現場では制球力の向上を目的とした投球動作の指導に加え,視線行動の指導が行われることがある.しかし,投球動作の指導に比べて,視線行動の指導をどのように行うべきかについて一貫した意見はない.そこで本研究では,投球動作中の的に対する視覚情報の取得タイミングが制球の正確性に与える影響について調査することで,制球力を向上させる視線行動の指導に有用な情報を提供することを目的とした.実験参加者は投手経験のある大学野球選手6 名とした.実験課題は,マウンドから18.44m 離れた的に向かってボールを投げる的当て課題とした.その際,投球動作を3 つの局面 (ワインドアップ期,コッキング期,加速期) に分け,遮蔽メガネを用いて視覚情報の得るタイミングを操作した.結果として,投球動作開始から投球腕がトップの位置 (投球腕側の肘が肩の高さになった瞬間) にくるまで (ワインドアップ期・コッキング期) の視覚遮蔽が制球の正確性を低下させ,トップからリリースまで (加速期) の視覚遮蔽による影響は認められなかった.また,最も制球の正確性が高い者は投球動作前半で的の情報を得ており,最も正確性が低い者は投球動作全体を通して的の情報を得ていることが示唆された.つまり,「キャッチャーミットを最後まで良くみて投げろ」という指導が,必ずしもすべての選手の制球力向上に有益で はない可能性が示唆された.
  • 濱田 初幸, 水谷 未来, 前田 明
    2015 年7 巻 p. 247-254
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    電子付録
    柔道学習を安全で効果的に進めるためには,正しい受身の修得が必要であるが,その中でも前回り受身は指導法が困難で生徒にとっても煩雑な技術であり,指導者,受講者,いずれにとっても難しい技術である。 その問題解決の一助として,前回り受身指導補助柔道上衣「初転君」を開発した。「初転君」は柔道を専門としない指導者が,前回り受身を指導する際に補助用具として,効果的且つ安全な授業展開に資することを目的として考案したものである。 「初転君」の効果に関する先行研究は,指導者の主観的評価のレベルで効果的であることを明らかにしてきたが,客観的なエビデンスが乏しいことが課題として指摘されている。そこで本研究では,「初転君」を用いた指導が前回り受身の動作に及ぼす即時的効果を圧力パターンと動作分析により明らかにすることを目的とした。 結果,「初転君」を用いた指導は,前回り受身の際の圧力分布パターンが,熟練型パターンに近づき滑らかな回転動作を習得することができ,さらに内省報告による理解のしやすさからも従来の柔道衣による指導よりも即時的効果が高まることが明らかとなった。
  • 髙橋 仁大, 村上 俊祐, 北村 哲
    2015 年7 巻 p. 238-246
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    電子付録
    近年のテニスでは,グラウンドストロークがプレーの中心と言われている(ショーンボーン,2007).特に女子選手においては,一般的にネットプレーを試みる割合が男子選手に比べて少ない傾向にある(Takahashi et al., 2010).本研究では,そのようなベースラインでのグラウンドストロークを中心にプレーしていた大学女子テニス選手を対象に,グラウンドストロークからネットプレーへと展開するプレーを導入したことにより,競技力を向上させた事例について報告する.対象とした選手は大学テニス部に所属する女子選手1 名であった.大学入学前は,ベースラインプレーを主体とする,女子選手の典型的なプレースタイルを用いていた.大学2 年以降,ネットプレーを含む攻撃的なプレーを行うことを意識したトレーニングを継続的に行った.その結果,大学3 年時には試合中にネットプレーを用いる割合が高くなり,全国大会や地方学生大会での成績を向上することができた.一方,大学4 年時にはネットプレーをすることへのプレッシャーを感じるようになり,試合中にネットプレーを用いる割合は減少した.本研究の結果,女子選手においてもネットプレーを導入することにより,競技力を向上する可能性があることが示唆された.
  • 泊 弘侑, 幾留 沙智, 森 司朗, 鈴木 智晴, 蔭山 雅洋, 藤井 雅文, 前田 明, 中本 浩揮
    2015 年7 巻 p. 228-237
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    電子付録
    野球の打者は,投球されたボール情報のみでなく,投手の投球動作情報も利用して打撃を行う.そこで,投手による投球動作中の踏込み脚上下動作時間の使い分けが,打者のタイミングコントロールに与える影響を検討した.被検者は大学野球選手10 名とした.実験課題は,投手の投球映像を被検者に呈示し,ボールが到達すると予測したタイミングでスイングさせる打撃模擬課題とした.呈示映像は,投球動作局面を踏込み脚上昇局面と踏込み脚下降局面の2 つに分け,通常投球(上昇局面約1000ms,下降局面約800ms),上昇局面の動作時間を500ms 程度と1500ms 程度にしたもの,下降局面の動作時間を400ms 程度と1200ms 程度にしたものの5 種類を作成した.課題はこれらの映像を別々で連続呈示する単一条件とランダムに連続呈示するランダム条件で行った.結果として,タイミング誤差と打者のステップ動作のばらつきが,単一条件よりもランダム条件で有意に大きくなった(p< .05).よって,投手は単に踏込み脚の上下動作時間を使い分けるという比較的容易な方法で,打者のタイミングを混乱させることが可能であることが示唆された.
  • 小森 大輔, 近藤 亮介, 本山 清喬, 小森 智美, 松村 勲, 瓜田 吉久, 金高 宏文
    2015 年7 巻 p. 213-227
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    電子付録
    本研究では、インラインスケートを活用した立五段跳の総跳躍距離を伸ばす改善トレーニングを提示し、その即時的な効果について事例的に検証した。その効果については、大学跳躍・混成競技者1 名を対象として、総跳躍距離、各跳躍歩の跳躍距離と跳躍速度、連続写真を用いて検討した。 その結果、約10 分程度の改善トレーニングで総跳躍距離が14.10m から14.73m まで0.63m 伸び、従来の自己Best を更新し即時的効果が認められた。トレーニング後は、1 歩目から跳躍歩を重ねる毎にスピードのある跳躍が実施され、5 歩目の跳躍距離の延伸が総跳躍距離に大きく影響していた。各跳躍歩においては、接地脚の動作や振り込み脚の動作に変化がみられ、特に接地脚の動作は改善トレーニング②で求めた動作課題と同じであった。 本研究のトレーニングは、立五段跳において跳躍距離を伸ばそうとすると減速してしまう、あるいは跳躍速度を上げようとすると跳躍距離が伸びないことで総跳躍距離に頭打ちが発生している場合、跳躍歩を重ねる毎に加速しながらも各跳躍歩の跳躍距離を獲得することで総跳躍距離を伸ばす有効な手段の一つとなり得る可能性が示唆された。
  • 箕輪 憲吾, 松本 勇治
    2015 年7 巻 p. 195-212
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    平成21 年度西日本大学バレーボール5 学連選抜男女対抗戦における九州選抜女子チームの優勝までのチームづくりの過程について検討,考察を行った結果は以下のとおりである. 1) 九州選抜の優勝は,チームづくりにおける指導者の方針に対して,選手が一つにまとまり勝てるチームへと成長したことによる結果であった. 2) 短期間の選抜チームのチームづくりには指導者の素早い判断と決断が求められるが,そのためにはそれを支えるスタッフの存在が重要である. 3) 短期間の選抜チームのチームづくりにおいて指導者には,個人の目標をいかにしてチームの目標へと切り替えさせるかが必要である. 4) 短期間の選抜チームでは,指導者が選手を自分の考える「型」にはめるのではなく,選手同士がコミュニケーションを取ることによってチームづくりに積極的に参加し,全員でチームとしての「型」をつくって行くという方法もあることが認識された. 5) 短期間の選抜チームで指導者が選手に話をする際には「短く,簡潔な言葉を選ぶ」ことが必要な場合もある.
  • 木村 瑞生, 古泉 一久
    2015 年7 巻 p. 171-182
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    本研究は、5000m走のパフォーマンスに対する脚筋パワー、筋持久力の係わりを調べることを目的とした。被験者は、S大学駅伝部の男子長距離ランナー16 名(平均年齢19.6 歳、5000mベストタイムの平均15 分27 秒、14 分40 秒~16 分44 秒)であった。5000best(過去1 年間の5000m 走のベストタイム)に対する脚伸展パワー(legP)、スクワットジャンプ高の最大値(HSJmax)および脚筋持久力(HDI)の関係について調べ、以下の3点が明らかとなった。 1)脚筋パワー(legP とHSJmax)は、同年齢の一般学生の値より劣っていた。 2) 5000best-legP 関係と5000best-HSJmax 関係には有意な相関は示されなかった。 3)5000best-HDI 関係には有意な相関(r=0.600、p<0.05)が示された。 さらに、5000best が15 分20 秒未満のグループAとそれ以上のグループBにつてHDI の平均値を比較すると、グループAの値(13.6±4.17%)がグループBの値(20.6±5.94%)よりも有意(p<0.05)に小であった。つまり、走力の高いランナーの方が脚筋持久力に優れていた。 以上の結果より、本研究の被験者の5000m走のパフォーマンスを高めるためには、脚筋パワーの向上(HSJmax を35cm 以上に改善)と脚筋持久力の向上(HDI を13.6%以下に改善)を図るトレーニングの導入の必要性が示唆された。
  • コーチと選手間のコミュニケーション研究の授業への応用
    デイビッド エルメス
    2015 年7 巻 p. 159-170
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    電子付録
    スポーツ・体育分野におけるグローバル人材を日本で育成するためには、日本人英語学習者はオーセンティックで自分に関連のある言語学習教材にもっと触れなくてはならない。2010 年から2013 年にカナダのアイスホッケー選手育成・コンディショニング合宿で録音・録画したコーチの指導の分析により、コーチの出す指示の中で頻出する言葉を見つけ出し、それらを目標言語としてスポーツ英語の授業を実施した。授業の目標は、学習者が目標言語を自然に生み出して発話することとした。特に本稿で述べる授業は2010 年の録音・録画に基づいている。本研究は、これらのオーセンティックな教材を用いた言語活動により、学習者の学習に対する意欲・集中力及び言語活動中の自然な言語生成が増すであろうという仮定を確かめることを目的とした。当該授業中、学習者が独自の指示を出す際に、目標言語をさまざまに組み合わせて用いる様子が観察された。また、学習者は言語活動を行う際に、言語やスポーツに関する既存の知識を用いていることも分かった。今後の研究では、当該授業をさまざまなレベルの他のクラスで実施してみる必要がある。また、日本人学習者の実際の英語コミュニケーション能力をより正確に評価するため、複数の英語母語話者に授業に入ってもらう必要がある。
  • 中島 一, 蔭山 雅洋, 前田 明
    2015 年7 巻 p. 147-158
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    本研究は、野球打撃中の地面反力フィードバックに関して、地面反力をベクトルとして表示する方法が、従来の表示方法と比較してどのようなフィードバック効果を示すかについて検討することを目的とした。被験者は大学野球選手2名とし、実験室内でティー打撃を行わせた際の地面反力をそれぞれの方法でフィードバックし、コメントをとった。その結果、地面反力に関する知識がほとんど無い者にとっては、どちらのグラフも理解が困難であった。一方、地面反力に関する知識がある者にとっては、どちらグラフについても理解できたとともに、多くのコメントが得られた。以上のことから、打撃中の地面反力をフィードバックする際には、地面反力に関する知識の有無がフィードバック効果に大きく影響し、時間―力グラフとベクトルグラフのそれぞれにおいて、異なるフィードバック効果が得られるということが示唆された。
  • セッションRPE 法を用いた検討
    髙山 史徳, 佐久間 広貴
    2015 年7 巻 p. 135-146
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    本研究は,市民ランナーの日常的なトレーニング状況と各種コンディション指標およびレースパフォーマンスの関係からセッションRPE 法の有効性について,検討した.対象者は,過去にマラソンを3 時間未満で完走した経験がある男性市民ランナー1 名(年齢23 歳,身長173.5 cm,体重59 kg)とし,2013 年11 月と2014 年2 月にそれぞれマラソン大会に出場した.その各大会のレース前9 週間のトレーニングを走行距離の他,セッションRPE 法によって算出されたLoad,Monotony,Strain から評価した.さらに,コンディションの指標として毎日の体重,体脂肪率,睡眠時間および起床時心拍数が測定された.その結果,各大会前のLoad やStrain などの変移から,セッションRPE 法は,市民ランナーにおけるトレーニング評価の手段として有効である可能性が示唆された.
  • チッペルトとの比較を通して
    村田 憲亮, 平岡 駿希, 植村 隆志, 山下 龍一郎
    2015 年7 巻 p. 113-134
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    体操競技の平行棒の技の一つに「懸垂前振り開脚抜き、伸身かつ水平位で懸垂(以下「バブサー」とする)」がある。この技はE 難度に位置づけられおり、2009 年にラージ・バブサー選手によって発表された。現在、指導現場においては「チッペルト」を習得した者が新たに「バブサー」の習得に取り組むように見受けられる。この理由として「チッペルト」の終末姿勢への運動経過に問題があると考えられる。理想像は倒立位であるにもかかわらず、多くの選手は浮き腰姿勢を経過しながら倒立位へ持ち込む実施に傾斜している。またこのような捌きでも、各大会で技として大半が成立していることも否定できない。このことから、浮き腰姿勢を経過し倒立位へ収める未成熟な「チッペルト」よりも伸身かつ水平位で懸垂姿勢へ収める「バブサー」の方が、習得が困難であり習得段階の順序として「バブサー」が「チッペルト」の後に習得されることが多いと考えられる。本研究では、指導現場での一例として還元することを目的とし、被験者1 名を対象に「チッペルト」と「バブサー」の比較考察の結果からぬき局面、あふり局面、あて局面において運動差異を示すことができた。
  • 辻本 典央, 松儀 怜
    2015 年7 巻 p. 99-112
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    電子付録
    トランポリン競技は10 本の連続した跳躍の中で、跳躍の高さと安定性が求められる競技である。現在、跳躍の高さを評価する指標は存在するが、安定性を評価する指標は確立されていない。 本研究の目的は、トランポリン競技における跳躍安定性の評価を可能にする指標を明らかにすることである。 実際の試合の映像から、前方・後方回転の順番が10 本全てで同じであった14 名を対象とし、2 次元DLT 法を用いてベッド上の接地位置を定量化し、10 本の跳躍中の移動距離(D)と中心からの距離(DC)の前後成分、左右成分をそれぞれ算出した。分析の結果、上位群においてD、D の前後成分、DC、DC の前後成分が有意に少なかった。さらに、D、DC、DC の前後成分と演技点との間に有意な負の相関が認められた。よって、トランポリン競技における跳躍安定性は、跳躍中の移動距離や中心からの距離の特に前後成分の少なさで評価できることが明らかとなった。 また、跳躍安定性の向上を目指したトレーニングの効果を、これらの指標を用いて検証した。高校のトランポリン部選手7 名に対し、『体幹の垂直性保持』や『ストレートラインでの跳躍・着地』を目指したトレーニングを実施した結果、DC、DC の前後成分が有意に減少し、トレーニング効果を確認することができた。
  • 竹島 伸生, 宮﨑 喜美乃, 山本 正嘉, Islam MM, 藤田 英二
    2015 年7 巻 p. 90-98
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    電子付録
    プロスキーヤーであり,登山家である三浦雄一郎氏(以下三浦氏)は,70 歳時,75 歳時,80歳時と,3 回にわたり世界最高峰のエベレスト(8,848m)に登頂し,最高齢登頂記録を塗り替えてきた。これまで10 年間に亘り三浦氏の呼吸循環機能,筋機能および体力測定を実施してきた。今回新たにバランスマスター (NeuroCom International, Clarckamas, OR, USA) を用いて静的,動的バランスを測定し,その特徴を検討した。立位姿勢で柔らかい台上における重心動揺速度 (deg/sec)(静的な重心動揺テスト)は1.8deg/sec であった。この値は20~30 歳の平均値に相当しており,同世代の水準と比較して極めて高いバランス能を有していることが明らかとなった。動的バランステストとして安定性の限界値(LOS)を測定した。これはバランスを崩すことや足が動くことまた,補助をされることなく本人がどれだけ重心を移動できるかという能力を評価するものである。評価指標には,反応時間(RT),移動速度(MVL),方向制御(DCL),初期到達点(EPE)および最高到達点(MXE)がある。三浦氏の初期到達点(EPE)は86%と高い能力を有し,同年代の標準値を大きく超えていた。RT, MVL, DCL, MXE などのすべての指標においても高い能力が示された。三浦氏は高所登山で求められる雪,氷や岩など不整地での急斜面あるいは狭い道などへの登下降に対する姿勢調節の適応と幼少からの長期の山岳スキーなどの経験が相まって80 歳においても静的及び動的バランス能も高い水準を維持していることが登頂成功の一助になったとみられた。
  • 高田 正義
    2015 年7 巻 p. 77-89
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    第17 回日韓中ジュニア交流大会で、U17 ラグビー日本代表は3戦とも大勝に終わった。韓国遠征に先立ち行われた、わずか3泊4日の直前準備合宿で選手は団結を深めチームへと変貌していった。その一役を担ったのが、メンタルトレーニングである。一般的に長期間の継続が必要とされるメンタルトレーニングを、メンタルコーチングと位置づけ、4セッションという超短期介入で一応の成果を得た。 チームのホスト役を務めていた筆者が、「選手に覇気がない」という監督の悩みに対し相談を受けていく中、メンタルコーチングの依頼を受けることになっていく。予定外の事態に急遽プログラムを検討し、過去の経験を生かす形で行程表を作成した。与えられた時間と現状を踏まえた中、チームビルディングをする必要があると考えた。小グループディスカッションなどにより選手の主体性を呼び起こし、自ら問題を発見し解決へと取り組むように方向づけた。翌日から、雰囲気が一変し団結力が高まっていく。行動の変化により、結果も好転する。小さな成功体験が、選手の「自己効力感」を向上させ、その結果として自信を取り戻し「覇気」も高まっていった。「自分自身が変わった」、「集中した」、「やる気になった」など、選手の意識は変革していったのである。監督も成果を認め、継続の必要性を主張していた。超短期介入は、アプローチ方法・手順によって成果が期待できることが示唆された。
  • 水野 秀一, 太田 咲希
    2015 年7 巻 p. 67-76
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    バレーボールにおけるコーチングの資料を得ることを目的として、承認型コーチングによるチーム作りが、2012 年度のNKU 女子バレーボールチームの春季リーグ大会と秋季リーグ大会の結果に与えた影響について検討を行った。主な結果は以下の通りである。 1) チームの生活・練習・試合における目標を選手主導で決めて実践した結果、選手たちは自分がチームの一員であるという自覚をしっかりと持ち、積極的にチームの勝利について考える姿勢が強まることが示唆された。 2) 選手主導のチーム作りを行った結果、それぞれがチーム作りに関わっているという思いから結束力が生まれ、チーム力が高まることが示唆された。 3) サイドアウト率が低いという自分たちの課題を明確にして練習を行った結果、秋季リーグ戦においてサイドアウト率を高めることができた。 4) “自分たちのアタックミスが多い”ことを自覚して練習した結果、秋季リーグ戦においてアタック失点数を5%水準で有意に減らすことができた。 5) 練習試合や大会にデータ分析を用いた結果、選手が自分のパフォーマンスやチームの客観的評価ができるようになった。 これらより、承認型コーチングによって、良い結果が得られることが示唆された。
  • 坂中 美郷, 内瀬戸 真実, 本山 清喬, 佐藤 剛司, 田中 裕己, 三浦 健, 濱田 幸二
    2015 年7 巻 p. 55-66
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    電子付録
    本事例では、ある大学女子バレーボール選手の相手にサーブコースが読まれないドライブサーブの動作改善等の取り組みについて事例報告を行った。動作改善等の取り組みでは、まず三次元動作分析によりストレート打ちとクロス打ちの違いを確認し、体幹の前後・左右の傾きに有意な差が認められた。そしてこれらの違いを解決するための方略として①「トスを上げる位置を一定にする」練習、②「より高い打点から、ネット上端の近くを通過する軌道で打つ」 練習を5 ヶ月間行った。その結果、リベロによる主観的評価より、改善後は「コースが分かりにくくなった」「スピードが速くなった」という意見が得られた。また、改善後の秋季リーグでは、改善前の春季リーグよりサーブ効果率は低下したが、ノータッチエース の本数が増えた。このような成果について振り返ってみると、意外にも②の「より高い打点から、ネット上端の近くを通過する軌道で打つ」練習によりトスを上げる位置が一定になる傾向がみられ、それによってサーブのコースが読まれにくい状況が多くなったと考えられる。
  • ある小学野球投手の場合
    蔭山 雅洋, 鈴木 智晴, 藤井 雅文, 前田 明
    2015 年7 巻 p. 42-54
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/19
    ジャーナル フリー
    電子付録
    本事例のA 選手 (年齢; 11.7 歳, 身長; 156.1 cm, 体重; 40.5 kg) の投球動作は, 踏込脚接地時からボールリリースにかけて腰の回旋の範囲が小さい特徴がみられた. そこで本事例では, 小学野球投手A 選手の投球動作の改善方法として, 踏込脚接地直前までの腰の開きを抑えるために, 技術指導を行った際の投球練習と傾斜台を使用した投球トレーニングの2 種類の方略が投球速度および投球動作に及ぼす効果を検証することとした. その結果, Post 測定Ⅰ (技術指導の後) では投球速度に変化はなかったものの, Post 測定Ⅱ (傾斜台を使用した後) では, 最大速度は89.0 km/h と 1.0km/h (1.1 %) 増大し, 平均速度は2.0 km/h (2.3 %) 増大した. また投球動作は, 傾斜台を使用することで, 改善点である踏込脚接地直前までの腰の開きを抑えられた. そして, 両脚に作用する地面反力は, 軸脚では進行方向の成分の最大値が, 踏込脚では肩関節が最大に外旋した後からボールリリースまでの進行方向とは逆向きの成分が増大した. 以上のことから, 投球速度の増大は, 踏込脚接地時までに骨盤の回旋が抑制されたことによる体幹の回旋動作および捻転動作の改善とともに, 下肢によって生み出されたエネルギーの増大が影響したと考えられる.よって, 小学野球投手が傾斜台を用いて投球トレーニングを行うことは, 踏込脚接地直前までの腰の開きを抑えるために有効な方法であるとともに, 下肢に作用する地面反力の獲得をもたらすことが示唆された.
  • 町田 和樹, 本嶋 良恵, 村田 憲亮, 北川 淳一
    2015 年7 巻 p. 30-41
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
    ジャーナル フリー
    電子付録
    本研究では,体操競技跳馬におけるカサマツとび系の跳躍技実施時の着手感覚に着目し,着手感覚の違いが着手動作およびパフォーマンスに与える影響を明らかにすることを目的とした.カサマツとび系の跳躍技実施時の着手感覚が異なる4 名の男子大学体操競技選手を対象に,伸身カサマツとび1 回ひねりを実施させた.跳躍動作をデジタルハイスピードカメラにより撮影し,4 選手の動作を比較・検討した.側方回転感覚着手の選手は,身体が振り上がり腕から足先までが一直線になるまで第2 着手が行われず,それにより離手時に脇が少し閉じた姿勢で足先が運動方向に先行していた.一方で,前方回転感覚着手の選手は,片手で着手している時間が短く,着手時の上肢の強いブロック動作により,垂直に近い位置で身体を一直線にして離手できていた.これらのことから,前方回転感覚で着手することにより,効果的な突き動作が可能となり,側方回転感覚で着手するよりも空中での高さの獲得に繋がることが示唆された.
  • 甲斐 智大, 高井 洋平, 青木 竜
    2015 年7 巻 p. 22-29
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
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    電子付録
    サッカーでは,攻撃側の選手が相手のゴールを向いてボールを受けるプレー(oriented control play)が重要であるといわれているが,これまでに試合中のoriented control play を勝敗別に定量した研究はない.そこで本研究の目的は,大学サッカー選手における試合中のoriented control play の回数および出現率を勝敗別に比較することで,そのプレーが勝敗によって違うかどうかを明らかにする.大学サッカー部に所属する選手を対象に,公式戦および練習試合をビデオカメラで撮影し,その映像から各選手のoriented control play の回数および出現率,枠内シュート数を算出した.その結果,勝ち試合のoriented control play の回数が分けおよび負け試合よりも多かった.また,oriented control play の出現率は,負け試合よりも勝ちおよび分け試合で高かった.攻撃力の指標である枠内シュート数と勝ち試合のOriented control play の回数および出現率との関係性の強さは,中程度以上であった.以上のことから,サッカーの勝ち試合におけるoriented control play は負け試合より多く,その出現率は高くなることが示された.
  • 蔭山 雅洋, 前田 明
    2015 年7 巻 p. 10-21
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
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    電子付録
    本事例のA 選手の投球動作は, 体幹の回旋動作が小さい (テイクバックの際に後方への回旋ができていない) こと, リリース時において体幹の前傾が小さく, 肩の内旋動作 (肘関節の伸展動作ができていないことによる代償運動) が大きいことがあげられる. 本事例では, A 選手の投球動作の改善方法として, 体幹の回旋動作を利用したトレーニング (正座姿勢からの投球練習), 下肢と体幹の連動を伴ったトレーニング (真下投げトレーニング) に着目し, 投球速度の改善および投球障害の予防を目的としたトレーニングプログラムの即時的な効果を検証することとした. トレーニングの結果, 最大速度は1 km/h (1.7 %) 増大し, 5 球中の平均速度は3 km/h (5.4 %) 増大した. またトレーニング後の投球動作は, コッキング期におけるボール最低位時から踏込脚接地前において, トレーニング前より, 体幹の後方への回旋動作が大きくなり, 加速局面 (踏込脚接地時からリリース時) にかけては, 体幹の可動範囲が大きくなった. そして, リリース時の体幹の前傾動作は大きく, 上肢の振り動作は, リリース時に肘関節が伸展し, 肩関節の内旋動作が小さくなった. これらの結果より, 本事例で行ったトレーニングプログラムは, 投球速度の変化は小さいものの, 踏込脚接地前における肩の後方への回旋や加速局面の体幹回旋の可動範囲, リリース時の体幹の前傾動作および上肢の振り動作が改善されると考えられる. 以上のことから, 本トレーニングプログラムは, 体幹の回旋動作が小さい (テイクバックの際に後方への回旋ができていない) 選手, リリース時において体幹の前傾が小さく, 肩の内旋動作 (肘関節の伸展動作ができていないことによる代償運動) が大きくなる特徴がみられる選手に対して, 即時的に動作を改善するための有効な手段であることが示唆された.
  • 丸山 絵理那, 蔭山 雅洋, 山田 理恵, 前田 明
    2015 年7 巻 p. 01-09
    発行日: 2015年
    公開日: 2026/09/12
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    本研究は, 横振り動作を改善するために, 壁の前に立ち, なぎなた切先と身体との距離を制限したトレーニングが八相スネ打突に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした. 被検者は大学女子なぎなた選手7 名とし, 異なる時期に制限なし条件と制限あり条件を行った. 制限あり条件は, 壁との距離を65cm に設定し, その地点にて壁になぎなた切先が当たらないように, 八相スネ打突を行い, 制限なし条件は通常通りで行った. トレーニングは, 100 回の八相スネ打突とし, 両条件とも, 週3 日×4 週間の計12 回行った. その結果, 制限あり条件は, トレーニング後において, なぎなた切先におけるX 軸の変位量が有意に減少し (p < 0.05), 間合いおよび左脚における地面反力の進行方向の成分は有意に増大した (p < 0.05). これらの結果から, 壁の前に立ち, なぎなた切先と身体との距離を制限したトレーニングは, なぎなた切先と身体との距離を小さくすることにより, 「横振り」の動作が改善されるとともに, 間合いの改善によって, 試合を有利に進められる可能性が示唆された.
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