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73 巻
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
特別講演
研究プロジェクト
  • ―教員養成系の国立大学を中心に―
    戎 子卿
    2017 年 73 巻 p. 18-43
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/12/20
    ジャーナル フリー

     大学を持つ各種MLA施設には、教育施設である博物館・図書館、情報公開施設である文書館などがあげられる。法的設置根拠および施設の性格が異なるものの、いずれも資料の保存と公開を行うことができる。教員養成系国立大学の対象施設と公開システムを概観した上、種類が異なっても教育アーカイブズの保存と公開を行う事例を取り上げる。他のMLA施設に比べ、大学文書館が理想的である。重要なのは機関アーカイブズを確立させる。そのために国立公文書館の指定を受けるのが望ましい。東京外国語大学文書館のようなコストの低い一室体制が昨今の焦点になってきており、公開モデルのベストプラクティス的な存在となった。さらに海外の事例を通し、利用をいかに促進する姿勢を学ぶことができ、公開は一般市民のためであることを再確認できた。

  • 小川 千代子, 秋山 淳子, 石井 幸雄, 石橋 映里, 菅 真城, 北村 麻紀, 君塚 仁彦, 西川 康男, 廣川 佐千男, 船越 幸夫, ...
    2017 年 73 巻 p. 44-59
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/12/20
    ジャーナル フリー

     本研究は3か年計画で記録管理学という学問分野の体系化を目的とする第1年目の成果である。ここでいう記録管理学体系化とは、実務者が、自身が経験した個別事例を一般化された記録管理体系の中に位置づける手がかりを求め、そこから文書管理実務の観察、検討、改善への道筋を探れるようになることを意図している。たとえば記録連続体論は、記録の存在を研究観察対象として論じる。だが、現実的実務につながるという面で見ると、記録管理学は長くその体系化の必要が叫ばれながら、事例紹介の蓄積にとどまり、体系の大枠すら明確ではない。そこで、初年度は文書管理の実務者が業務遂行上依拠する現状の文書制度に基づき、記録管理学の体系化の糸口を探ることとした。研究では、諸文書管理例規を収集し、用語と定義の比較分析を行った。

研究ノート
  • 新原 俊樹
    2017 年 73 巻 p. 60-71
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/12/20
    ジャーナル フリー

     組織内で利用する共有フォルダ内にレコードスケジュールが定められないまま保存された電子ファイルが蓄積することで、現用の電子ファイルの検索の妨げとなり、共有フォルダの書庫としての利便性が低下している。この問題を解決するため、(1)レコードスケジュールを付与することなく文書のライフサイクルに基づくレコードマネジメントを実現するための電子ファイル保存ルール、(2)共有フォルダ内に残置された非現用ファイルの除去を促すための俯瞰機能、(3)現用ファイル同士が検索の妨げにならないように文書の共有範囲に応じた適切なフォルダ構成の3つの支援機能を提案した。いずれの機能も実際に組織が利用している共有フォルダに適用可能であることを確認するとともに、俯瞰機能が電子ファイルの廃棄・選別の進捗状況の把握にも活用できることが分かった。

  • ―国際比較に基づき―
    古賀 崇
    2017 年 73 巻 p. 72-85
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/12/20
    ジャーナル フリー

     「デジタル・フォレンジック」とは、データ修復などの手段を通じ、デジタル媒体(ハードディスク、サーバなど)上の証拠保全を行うことを意味する。英語圏(北米、豪州など)では、デジタル・フォレンジックは記録管理・アーカイブズ活動の一端として位置づけられているが、日本では単に「訴訟・捜査や情報セキュリティのための活動」として理解・実践されているのが現状である。本稿では、文献調査や米国アーキビスト協会(SAA)大会への参加経験などに基づき国際比較を行い、「ボーンデジタル世界における証拠保全」として記録管理・アーカイブズ活動を原点から見直すために、デジタル・フォレンジックを論じる。

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