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78 巻
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特別寄稿
  • ―記録管理学・アーカイヴズ学アプローチ序説
    安澤 秀一
    2020 年 78 巻 p. 3-37
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/24
    ジャーナル フリー

     本稿の目的は、文書布達および保存にかかわる官僚制といえる「文書行政」体系が江戸期大名(藩)統治に確立していたことの提示にある。そして、いかに藩の権威が文書の真正性と信憑性を保障していたか、そのあり様を検証する。

     その事例を大垣藩(現・岐阜県大垣地方)にもとめ、寛永12年(1635)から慶応3年(1869)の江戸期末まで同藩を統治した戸田家の記録を調べることで、行政行為の証拠のために記録を作成し保存する規則たる根本法のすがたを明らかにする。その法の理解により、いかなる真正性と信憑性が達成されたか見定めることができよう。

     本稿においては、大垣藩にみるような「文書行政」体系が今日の現代的記録・アーカイヴズ管理へ示唆するところがあることをも意図している。江戸期の記録書類作成の原点、証拠志向体系から学べる意義は大きい。

研究ノート
  • 新原 俊樹
    2020 年 78 巻 p. 38-53
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/24
    ジャーナル フリー

     「行政文書の管理に関するガイドライン」が改正され、各行政機関は共有フォルダの分類を行政文書ファイル管理簿上の分類に従い再構成するなどの対応が求められた。本研究では、法令の各条文の規定や法令間の主従関係に基づく分類を提案し、実際に行政機関で扱う文書を対象としてその有効性を検証した。

     法令に所掌業務が詳細に規定されている行政機関①の場合、行政文書ファイル管理簿に登録されていた全文書の7割以上について、法令に基づき分類することができた。また、法令に所掌業務の具体的な規定がない行政機関②の場合も、部内で流通していた電子メールの⚘割以上について、部内ルール(行政規則)に基づき分類することができた。

     法令という一つの観点に基づく分類により、利用者の間で文書の分類先について判断に齟齬が生じるおそれがなくなり、部内・部外ともに文書の検索性が高まるとともに、文書のより円滑な共有・継承が可能になると期待される。

研究プロジェクト
  • ―記録管理学体系化の方向性探索とその成果―
    小川 千代子, 秋山 淳子, 石橋 映里, 小形 美樹, 菅 真城, 北村 麻紀, 君塚 仁彦, 西川 康男, 船越 幸夫, 日野 祥智, ...
    2020 年 78 巻 p. 54-65
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/24
    ジャーナル フリー

     記録管理学体系化に関する研究は、2016年度から3年計画でスタートし、2018年度は3年目の最終年度にあたる。2016年度、2017年度の研究成果を踏まえ、2018年度には記録管理学の体系を導き出すことを目指して研究を行った。2018年度は、4回の研究会を開催するとともに、各メンバーによる個別担当の研究を行い、それを取りまとめるための記録管理学体系化の方向性を模索した。各メンバーは各自が記録管理における関心のあるテーマの考察レポートを作成し、これらを研究代表者である小川千代子が、2017年度の記録管理学体系化プロジェクト研究報告(学会誌「レコード・マネジメント」)で描いたところの体系化予想項目の中に関係づけ、その時の成果である記録管理学体系の3層構造に肉付けを行った。

エッセイ
書評
記録管理学会創立30周年記念シンポジウム
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