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論文
研究ノート
  • 甲斐 尚人
    2020 年 79 巻 p. 19-33
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/14
    ジャーナル 認証あり

     多くの企業はマニュアル化などによって技術継承を試みているが、言語化が難しい暗黙知が未だに故障の原因となっていることが多い。本研究では、鉄道車両における故障事例に焦点を当て、暗黙知習得のために必要なマニュアル内の要素を明らかにした。2013年に発生した特急「北斗20号」の車両故障の分析で明らかになった「気づき」の重要性について、キャストの評価が高い東京ディズニーランドの教育用マニュアルと鉄道車両の検修マニュアルを比較した。表層上の違いとして、見出しのフォントや表現の工夫が見られた。また、表現上の違いとして文章構成や例示表現、文末表現に工夫があることがわかった。同じく2013年に発生した特急スーパーおおぞら3号のヒューマンエラーの分析では、技術者の意識の不足、経験の不足が誤った取扱いに繋がっており、マニュアル内の文と図の取り扱い方が読み手に対して誤認識を誘発する可能性があることがわかった。

  • 李 星洋
    2020 年 79 巻 p. 34-39
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/14
    ジャーナル 認証あり

     中国の档案をめぐる状況は、1987年の档案法が公布されて以降、大きく変わった。档案の保存・管理・公開などが詳細に規定された。海外の一部の研究者は、中国で档案と呼ばれるものには非常にセンシティブな情報が含まれ、それ故に档案館は単なる文書管理だけではなく、権力側で個人情報を把握する国家機関だと考えている。また、档案館は日々国民の日常生活を監視するという冷ややかな評価もある。では実際に中国の档案館はどのような機関なのか、档案管理制度はどのように制定されたのか、かかる問題点を本研究ノートで明らかにしたい。また、档案の管理と利用に関する中国の課題や中国の档案館の特徴を指摘したい。

  • 山永 尚美
    2020 年 79 巻 p. 40-55
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/14
    ジャーナル 認証あり

     米国国立公文書館が大量の映像資料を所蔵していることは広く知られている。背景には、同館の設立に前後して、映画フィルムや録音物を受入れるために実施された数々の取り組みがあった。本稿では、特に1930年代から1940年代前半にかけて実施された諸策について、主に『国立公文書館年報』の内容を分析することで考察する。

     この時期の特徴として、国立公文書館法により映画フィルムの受入が定められたこと、同法を根拠として専門部門及び専門職が配置されたこと、開館後すみやかに映画フィルムに係る諸策が実施されたこと、以上の3つを指摘できる。このような取り組みは、「公文書等の管理に関する法律」の施行により、記録媒体の種別を問わない文書管理が定められた日本においても共有できるものである。この時期の米国における試行錯誤のプロセスを知ることは、多様な媒体から成る記録を適切に管理し、保存するための制度設計の構築という点に、大きな示唆を与える。

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