根の研究
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21 巻 , 3 号
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原著論文
  • 中野 有加, 岡田 邦彦
    21 巻 (2012) 3 号 p. 63-71
    公開日: 2013/11/20
    ジャーナル フリー
    地下灌漑の効果とその制御上の留意点を明らかにするため,地下水位の高低および変化がタマネギの地上部および根系の生育に及ぼす影響について調べた.淡色黒ボク土を充填したステンレス枠で-30cmおよび-40cmの地下水位を設定し,地表からの灌水は少量(平年降水量の25%相当)としてタマネギ‘もみじ3号’を栽培した.対照区は,平年降水量と同程度の量で地表灌水を行った.-30cm区では-40cm区よりも表層(10cm)の体積含水率が高かった.-30cm区および-40cm区の土壌水ポテンシャルは,対照区よりも高い値で推移した.水位が高いほどタマネギの根域がより浅い層に制限され,根長が短くなった.収穫期の葉新鮮重と最大葉長は-40cm区>対照区>-30cm区の順に大きく,最大葉長の差は球肥大盛期に生じた.球重には処理による差はみられず,球乾物率は-30cm区でやや高かった.また,ポット栽培において異なる生育ステージで水位上昇処理を行ったところ,茎葉伸長期区では各器官にわずかに生育促進効果がみられたが,球形成期区では葉および根の生育が阻害された.根箱栽培において,球肥大盛期の水位上昇により根先端から壊死した.したがって,少雨条件下でタマネギ根群発達域より低い地下水位で維持すると,十分な降雨がある場合と同程度の球重を得ることができると考えられる.しかし,球形成期以降の水位上昇は,根系の発達を阻害し,地上部生育を抑制する.
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ミニレビュー
  • 苅住 曻
    21 巻 (2012) 3 号 p. 73-78
    公開日: 2013/11/20
    ジャーナル フリー
    東日本大震災の巨大津波によって,陸前高田市の名勝高田松原のマツ(アカマツ・クロマツ)は倒伏・折損によって全壊した.中に一本だけ立残った大木のアカマツがある.付近の地盤は地震によって84cm沈下し,満潮時には木の近くまで海水が浸入し,また地下水位が上昇して根の成長と働きを阻害する状態となった.地下水の浸入を防止するために,一本松の周囲(15m×15m)に長さ6mの矢板を打ち込み,矢板囲い工事を行った.しかし,海岸砂地の矢板打ち工法で一般に知られている,クイックサンド現象によって周囲の地下水が噴出し,矢板囲い内の水位は上昇した.排水ポンプで排水したが,水位を下げることは出来なかった.表層の根系は地下水の上昇による湿害と塩分濃度の上昇による根の生理障害によって,活力を失い,枯死した.葉色は津波直後の3月中旬には緑で活力を保っていたが,気温の上昇に伴う蒸散量の増加によって,次第に褐変して,8月には殆ど枯死の状態にあった.クイックサンド現象による地下水の噴出を考慮すれば,海岸砂地における矢板囲い工法の利用は極めて危険性が高い.このような地下水位が高い環境では,根鉢による根系の持ち上げ工法が考えられる.大きな重機を用いての吊り上げ移植が出来ない場合には,従来から用いられている,斜面を作り,コロを敷いてウインチで引っ張り上げる方法や,ジャッキアップするなどの方法が考えられる.マツの発根が早春であることからすると,なるべく早い時期の移植が適当である.津波は付近の山脚を遡上して高さ25mに達し,スギ造林木が塩害で枯損した.気仙川沿いの 山脚部にある今泉天満宮境内の貴重木の大杉も塩害によって枯損した.ここでは 海岸砂地における矢板囲い工法による地下水位の上昇とこれに起因する根系の湿・塩害による樹木の枯損及び砂地土壌の塩害について考察した.
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