根の研究
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24 巻 , 1 号
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原著論文
  • 山本 岳彦*, 松尾 健太郎, 山崎 篤
    24 巻 (2015) 1 号 p. 3-10
    公開日: 2016/03/20
    ジャーナル フリー
    農林水産省・復興庁予算の大型プロジェクト「食料生産地域再生のための先端技術展開事業(農業・農村型)」のなかで,新たに開発された収穫機を核とした加工・業務用キャベツの機械化一貫体系の実証研究が進められている.本試験では,機械収穫で問題とされる結球部の傾きを軽減する方策として,定植時にセル成型苗を深く移植する方法を検討し,キャベツ結球部の収量,傾き,および根系分布へ及ぼす影響を調べた.移植深さは浅植え(地表面から培土表面まで+4.0 mm),標準植え(-4.4 mm),および深植え(-22.6mm)とした.深植え区では,他の移植深さに比べ傾きの小さい結球が多く, 結球重および外葉重は同等であることから,深植え移植は結球部の傾き軽減策として有効だと考えられた.その原因として軸(地際から上の胚軸+結球部までの茎部)を調べたところ,深植え区では浅植え区に比べ相対的に重い,充実した軸を持つ株が多かった.また,株直下の根系は,どの区も表層10cm に密集しており,浅植え区・標準植え区では深さ0-5cm において,深植え区では深さ5-10cm において根長密度が高い傾向がみられた.特に, 深植え区の深さ5-10cm では,浅植え区に比べ細根(径0-0.2mm)及び太い根(径1-5mm)の根長密度が高かった.深植え区の軸の形態と浅い層における根系分布は,キャベツ結球部の傾き軽減に関与する可能性が考えられた.
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ミニレビュー
  • 関谷 信人, 塩津 文隆, 阿部 淳, 森田 茂紀
    24 巻 (2015) 1 号 p. 11-22
    公開日: 2016/03/20
    ジャーナル フリー
    エリアンサスとネピアグラスは,多年生でC4 型光合成経路を有する大型のイネ科草本である.私達は,セルロース系バイオエタノールの原料作物として利用するため,両植物種の栽培技術を研究している.原料作物は食糧生産と競合しないように荒廃地などの非農地でも栽培されるため,劣悪土壌から養水分を獲得する根の能力が必要である.また,地上部全量を系外へ持ち出してしまうため,土壌に還元される唯一の有機物となる根が土壌生産性の向上に果たす役割が非常に大きい.そこで,私達は両植物種の栽培技術だけではなく,根も同時に調査した.両植物種は,浅い土層に多くの根を発達させつつ,かなり深い土層まで到達するような根の分布を示す.その結果,単位面積当たりの現存根量が主要な食用作物と比較して非常に多い.同時に多量の根を土壌中へ脱落させている.節根は太く,多数の導管を有する中心柱には秋頃にデンプン粒が多量に蓄積する.外皮,内皮,中心柱は,他のイネ科植物とは異なる特殊な構造を示す.根毛が密に発達することでsoil sheath が付着し,皮層には空隙も形成される.硬く痩せた土地や湛水条件下で栽培しても旺盛に根を発達させ,大きな地上部を支えるための養水分を良く獲得する.さらに,地上部全量を系外へ持ち出しても土壌炭素濃度は増加する.以上のように,エリアンサスとネピアグラスは,巨大な地上部バイオマスだけではなく,根の機能面からも原料作物に適している.
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  • 山内 卓樹, 中園 幹生
    24 巻 (2015) 1 号 p. 23-35
    公開日: 2016/03/20
    ジャーナル フリー
    イネ科植物の根は,土壌中の酸素濃度が低下した過湿環境に応答して形態的に変化することで,茎葉部から根端部へと酸素を供給する機構をもつ.過湿環境への形態的な応答機構の1つとして,根の皮層特異的な細胞崩壊によって生じる空隙である通気組織の形成があげられる.通気組織は,植物体内において気体の通り道となり,茎葉部から根端部への酸素供給に貢献する. 過湿環境に応答した誘導的な通気組織形成は,気体状の植物ホルモンであるエチレンによって促されることが知られていたが,その形成に関わる遺伝子の同定は進められていなかった.著者らは,誘導的通気組織形成過程のトウモロコシの種子根を材料としたマイクロアレイ解析によって,活性酸素種の生成/ 除去に関わる遺伝子が皮層特異的に発現制御されることを明らかにした.これは,誘導的通気組織形成が皮層特異的な遺伝子発現の制御により蓄積した活性酸素種によって促されることを示唆している.過湿環境で新たに生じたイネ科植物の不定根は,好気的な環境で生じた不定根と比較して顕著に太い.最近,著者らは過湿環境を模した低酸素条件下で新たに生じたコムギの不定根では,皮層が特異的に肥大することを見出した.このことから,イネ科植物の根は過湿環境に応答して通気組織形成を誘導するだけではなく,皮層を発達させて通気組織形成が起こる‘場’を広げ,根に占める通気組織の面積を大きくすることで根端部へと効率的に酸素を供給する機構をもつことが想定される.本稿では,通気組織形成を中心にイネ科植物の過湿環境への形態的な応答・適応機構について,著者らの最近の研究成果をもとに議論する.
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