本研究では,高齢者の閉じこもり解消に対する変化のステージモデル(Transtheoretical Model;TTM)の適用に向け,外出に対する行動変容ステージを分類するための評価指標を自己効力感との関連から検討した.調査対象は2地区設定し,A地区は都内A区8,000人,福島県B地区1,370人の70歳以上の地域高齢者を対象とし,郵送法による調査を実施した.分析は,各地区における行動変容ステージの分布,および行動変容ステージと外出に対する自己効力感との関連について検討した.その結果,A地区では,前熟考期51人(2.5%),熟考期34人(1.7%),準備期46人(2.2%),実行期22人(1.1%),維持期1,905人(92.6%)であった.B地区では,前熟考期37人(4.3%),熟考期3人(0.3%),準備期14人(1.6%),実行期14人(1.6%),維持期799人(92.2%)であった.行動変容ステージと外出の自己効力感の関連では,両地区においても行動変容ステージが進んだ段階にある人ほど,外出に対する自信が高く,行動変容ステージの分類における一定の妥当性を確認した.
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