老年社会科学
Online ISSN : 2435-1717
Print ISSN : 0388-2446
35 巻 , 4 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
原著論文
  • ―― 介護福祉士養成施設の介護教員の自由記述の内容分析に基づいて ――
    安 瓊伊
    2014 年 35 巻 4 号 p. 419-428
    発行日: 2014/01/20
    公開日: 2019/11/29
    ジャーナル フリー

     本研究は,介護福祉士養成施設の介護教員の自由記述調査をとおして介護福祉士の専門性の構成要素を抽出することを目的とした.調査は日本全国の4年制介護福祉士養成施設と関東地域の2年制介護福祉士養成施設の介護教員276人を対象に自由記述式質問紙調査を行った.回答者65人の回答文を意味のあるまとまりに切片化してコード化し,内容に親近性のある同士に束ねる過程を繰り返して行い,カテゴリー化した.

     その結果,148コードが得られ,17のサブカテゴリーから8つのカテゴリーが抽出された.これらの介護福祉士の専門性の構成要素としての相互関係を試みたところ,“日常生活の支援”をはじめ“生きがい支援”を実践するには,“利用者との関係形成”と“介護過程の展開”が重要な要素であることが結論づけられた.また,その基盤として“知識と技術”“倫理”“役割認識”“連携”の4つが不可欠な要素であることが示唆された.

  • 大庭 輝, 野内 類, 高野 裕治, 高野 春香, 島内 晶, 豊島 彩, 佐藤 眞一
    2014 年 35 巻 4 号 p. 429-437
    発行日: 2014/01/20
    公開日: 2019/11/29
    ジャーナル フリー

     本研究では,高齢期における食生活スタイルとソーシャルサポートの関連を検討した.質問紙の回答を得られたシニアカレッジの受講者374人のうち,60歳以上の男性230人,女性123人の計353人(平均年齢67.5歳(SD =± 4.5歳))を分析対象とした.基本属性の偏りについて,年齢群,ソーシャルサポートの群別にχ2検定で確認した.食生活スタイル尺度を高齢者に適用するにあたって確認的因子分析を行ったところ,先行研究と同様の因子構造が見いだされた.ロジスティック回帰分析の結果,食事場面の雰囲気因子はソーシャルサポートの受領・提供ともに関連がみられた.高齢期においては,食事場面の雰囲気を高めることがソーシャルサポートの向上に寄与する可能性が示唆された.

資料論文
  • ―― 外出に対する自己効力感との関連から ――
    山崎 幸子, 藺牟田 洋美, 野村 忍, 安村 誠司
    2014 年 35 巻 4 号 p. 438-446
    発行日: 2014/01/20
    公開日: 2019/11/29
    ジャーナル フリー

     本研究では,高齢者の閉じこもり解消に対する変化のステージモデル(Transtheoretical Model;TTM)の適用に向け,外出に対する行動変容ステージを分類するための評価指標を自己効力感との関連から検討した.調査対象は2地区設定し,A地区は都内A区8,000人,福島県B地区1,370人の70歳以上の地域高齢者を対象とし,郵送法による調査を実施した.分析は,各地区における行動変容ステージの分布,および行動変容ステージと外出に対する自己効力感との関連について検討した.その結果,A地区では,前熟考期51人(2.5%),熟考期34人(1.7%),準備期46人(2.2%),実行期22人(1.1%),維持期1,905人(92.6%)であった.B地区では,前熟考期37人(4.3%),熟考期3人(0.3%),準備期14人(1.6%),実行期14人(1.6%),維持期799人(92.2%)であった.行動変容ステージと外出の自己効力感の関連では,両地区においても行動変容ステージが進んだ段階にある人ほど,外出に対する自信が高く,行動変容ステージの分類における一定の妥当性を確認した.

  • 大塚 理加, 菊地 和則, 野中 久美子, 新開 省二, 三浦 久幸
    2014 年 35 巻 4 号 p. 447-453
    発行日: 2014/01/20
    公開日: 2019/11/29
    ジャーナル フリー

     地域包括支援センター(地域包括)における地域高齢者の低栄養への対応は必ずしも明確になっていない.そこで本研究では,地域の高齢者の低栄養への取り組みの実態を把握するために,2010年4月1日現在,東京都内の全地域包括359か所を対象に,調査票を用いた自記式の郵送調査を行った.分析対象は155票(43.2%)であった.摂食不良高齢者の把握は,民生委員や近隣住民等,地域との連携によってなされていた.摂食状況について見た目のやせ等の観察のみで判断する群(A群)と,それらに加えて医療的な検査や測定結果で判断する群(B群)では,B群はA群に比べて低栄養予防の業務評価が高く,介護サービス利用や医療機関の紹介等による低栄養への対応をしていることが多かった.これらのことから,地域包括の地域高齢者の栄養状態の改善への取り組みには,地域とのネットワークと多職種連携,とくに医療機関との連携が重要であることが示唆された.

feedback
Top