老年社会科学
Online ISSN : 2435-1717
Print ISSN : 0388-2446
39 巻 , 1 号
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原著論文
  • 金城 光, 石井 国雄, 齊藤 俊樹, 野村 信威, 濱田 明日也
    2017 年 39 巻 1 号 p. 7-20
    発行日: 2017/04/20
    公開日: 2019/11/15
    ジャーナル フリー

     高齢者の医療・健康情報入手状況(内容,程度,メディア)と課題を明らかにするために,東京都(A区)と長野県(B市)のシルバー人材センター会員650人に質問紙を郵送配布し,計521人から回答を得た.医療・健康情報の内容別入手程度と主観的健康評価の相関分析では,健康評価の高い人は複数の情報をより多く入手していた.入手メディアでは,TV,友人や家族,新聞が多く,インターネットは14%で,メディア利用には地域差がみられた.情報入手得点の関連要因を探る重回帰分析では,居住地域を含む基本属性は関連がなく,情報希求得点やeヘルス得点と関連がみられた.情報入手過程で多くの高齢者がさまざまな不満をもっており,情報入手得点の低い人ほど,どこから情報を得たらよいかわからないという不満が強かった.高齢者が医療・健康情報の入手で感じる不満は複数のプロセスで生じている可能性があり,さまざまな現実場面での情報入手についての調査が必要である.

実践・事例報告
  • ― 千葉県「くるる即興劇団」を事例として ―
    園部 友里恵
    2017 年 39 巻 1 号 p. 21-30
    発行日: 2017/04/20
    公開日: 2019/11/15
    ジャーナル フリー

     本稿は,日本初の高齢者インプロ劇団「くるる即興劇団」を事例として,同劇団におけるアクション・リサーチおよび劇団員へのインタビュー調査により,インプロの学習形態と,そうした形態によるインプロ実践がもたらす高齢者の変容について報告するものである.

     同劇団の前身の講座「即興劇で学ぶコミュニケーション」および劇団化後の稽古ではワークショップ形式がとられ,そのなかで①全員,②2〜5人の小グループ,③全体を2グループに,④「舞台」と「客席」の4形態が,活動主旨や参加者の様子を踏まえ即興的に選択されていた.それにより,高齢者が,だれかに「見られる」感覚を負担なく体験できるほか,多様な参加者同士の触れ合いとゆるやかな関係の構築が可能となっていた.

     また,インプロを通して,高齢者は,新たな表現を生み出す要素として「失敗」を肯定的にとらえ,パフォーマンスの際に自分をよく見せようとせず,共演者とのかかわりを重視するようになった.

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