「ホームヘルパーの専門職アイデンティティ」を測定する尺度を開発し,それに関連する要因について楽観的態度から検討することを目的とした.
A県内にある訪問介護事業所のホームヘルパー600人を対象とした自記式郵送調査を行った. 有効回答率は24.8%であった.ホームヘルパーの楽観的態度がアイデンティティを規定するといった因果関係モデルを構築し,構造方程式モデリングを用いてデータに対する適合度を確認した.
本尺度は確証的因子分析の結果,妥当性が確認された.また,「ヘルパー業務楽観的態度」と「ホームヘルパーの専門職アイデンティティ」の関連では,楽観的態度のうち「自己成長感」(β = 0.591),「困難の楽観的解釈」(β = 0.276)に有意な関連がみられた.
このことから,ホームヘルパーの業務で生じる困難に対する楽観的態度や自己の学びの感覚は,その専門職としてのアイデンティティと関連しているという仮説が支持されたといえる.