本研究では,有効な閉じこもり予防策の確立に向けて,閉じこもり傾向にある高齢者の教室型プログラム(以下,教室)への参加および継続に関連する要因を明らかにすることを目的とした.われわれは,閉じこもり傾向にある高齢者を対象とした教室に参加した者に対しフォーカス・グループ・インタビューを行い,質的な分析を行った.
その結果,教室案内時,対象者にはもともと【参加を検討する背景】があり,そこに【参加を後押しする決め手】が加わり参加に至っていた.教室参加後も,【継続に傾く判断材料】と【中断に傾く判断材料】の間で参加することの意義を模索しながら,修了まで継続していた.
以上より,教室参加者は,案内時から参加に至ったあとも参加するか否かで気持ちの揺らぎが生じていることがうかがえた.教室型プログラムにおける閉じこもり傾向にある高齢者に対する支援では,教室案内時から修了までを通して,個別的な支援の必要性が示唆された.
抄録全体を表示