老年社会科学
Online ISSN : 2435-1717
Print ISSN : 0388-2446
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資料論文
  • ―― 活動参加の促進に着目して ――
    茨木 裕子
    2020 年 42 巻 1 号 p. 7-20
    発行日: 2020/04/20
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー

     本研究では,中高年者の社会参加活動の要因に関連する国内文献を精査し,調査対象者,社会参加活動の定義と種類,活動の評価方法,関連要因などを系統的に整理した.そして,研究対象とされてきた社会活動の種類や中高年者の活動参加を促進する要因および今後の研究課題を明らかにすることを目的に考察した.CiNii ArticlesおよびDiaLのデータベースを用いて,1990~2018年に発表された4,414文献のうち,選択基準を満たした34文献をレビューした.その結果,中年者の社会参加活動に関連する要因について,さらなる研究の蓄積が必要であることが示唆された.また,社会活動の種類や内容を見直し,日本の現状に即した新たな社会活動性指標の開発や,参加の程度や頻度などを勘案した活動の評価法を取り入れた研究の必要性が示された.そして,社会参加活動における情報取得の実態を把握する研究が求められることが示唆された.

  • 堤 聖月
    2020 年 42 巻 1 号 p. 21-29
    発行日: 2020/04/20
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は,高齢者における日常生活の忘却に関する認識の特徴を,質問紙を用いて検討することである.本調査には,310人の一般成人(20〜23歳の若齢者197人,60〜86歳の高齢者113人)が参加した.調査協力者は,日常生活における忘却に関する認識についての項目と,日本版成人用メタ記憶尺度の一部の因子,思考抑制に関するメタ認知的信念,記憶機能の低下に対するストレス認知を評定する質問紙に回答した.また,高齢者のみ忘却に関する自由記述に回答した.得られたデータに対して相関分析を行ったところ,記憶活動に対する不安と忘却に関する認識は年代関係なく関連することが示された.また,忘却に対する統制不能感と思考抑制時に生じる逆説的効果に対する確信度は,若齢者でのみ正の相関がみられることが示された.自由記述から,高齢者は自身の忘却を必ずしも悲観的にはとらえていないことが示唆された.

  • 内田 和宏, 李 泰俊, 茨木 裕子, 加瀬 裕子
    2020 年 42 巻 1 号 p. 30-38
    発行日: 2020/04/20
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー

     認知症になっても暮らしやすい地域づくりには,認知症の理解とともに地域のつながりが求められている.本研究は,地域住民における認知症の人への態度と,それに関連する要因を明らかにすることを目的とした.調査は東京近郊の市における40歳以上の男女9,099人を対象に,自記式調査票を用いた郵送調査を実施した.有効回答は2,530人であった.認知症の人に対する態度を因子分析した結果,「認知症への受容」「近隣からの遮蔽」「認知症介護への拒否」の3因子が抽出された.認知症の人に対する態度の下位尺度得点について,近隣関係を要因として一元配置分散分析にて比較した結果,「相談・助け合う人」が多い人ほど,認知症の人に対する「認知症への受容」が高く,「近隣からの遮蔽」と「認知症介護への拒否」が低い傾向がみられた.本研究では,認知症の人とその家族が地域で孤立しないよう,近隣で友好的な関係を構築することが必要であると示唆された.

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