情報技術を応用する人文学をDigital Humanities, 略してDHという。本論文では、歴史研究(特に現代史の研究)に対するDHの実際を、著者の歴史研究での経験をもとに解説する。そして、また、ChatGPTなどのAIの台頭を考慮に入れつつ、近未来のDHについて論じる。
生成AI ChatGPTの登場を契機とすると思われるが、歴史学と人工知能AIとの関係について論じられることが多くなっている。その主たる論点は、AIやIT情報技術は、本当に歴史研究の手助けとなるのかという問と、将来的にAIなどのために歴史家の存在意義が無くなることはないのか、という問であろう。
著者は、この二〇数年来、主に自主開発したITツールを使って、京都学派の思想史、数学思想史、そして、数学史の研究を行って来た。その経験のもと、これらの問について論じる。
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