レギュラトリーサイエンス学会誌
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巻頭言
特集(医療機器の生物学的安全性試験法ガイダンス改定)
  • 坂口 圭介
    2020 年 10 巻 2 号 p. 47-54
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/31
    ジャーナル 認証あり

    わが国の医療機器の認証および承認における生物学的安全性評価のガイダンスとして, 2020年1月 「医療機器の製造販売承認等に必要な生物学的安全性評価の基本的考え方についての改正について」 (薬生機審発0106第1号) が発出された. 改正前の生物学的安全性評価に関する通知 (薬食機審発0301第20号2012年 : 以下, 旧生安性通知) と同様, International Organization for Standardization (国際標準化機構 : 以下, ISO) の発行する規格, ISO 10993-1を準用しており, リスクマネジメント手法をベースにした生物学的安全性評価体系には大きな変更はないが, 評価対象の医療機器の物理学的かつ化学的情報を必須とし, 考慮すべき評価エンドポイントを増やした改正となった. 参考情報を新設するなど実用性も考慮されている.

  • 加藤 玲子, 宮島 敦子, 蓜島 由二
    2020 年 10 巻 2 号 p. 55-62
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/31
    ジャーナル 認証あり

    医療機器の生物学的安全性評価において, 刺激性試験は, 生体と直接あるいは間接的に接触する医療機器に必須の評価項目である. 皮膚刺激性試験は, 一般的にin vivo試験で実施されてきた. 近年, 動物試験の削減をめざして, 医療機器の抽出液の皮膚刺激性を評価するための再構築ヒト表皮 (RhE) モデルを利用したin vitro試験法が開発され, 国際ラウンドロビンスタディによりその有用性が示された. これを受けて, 令和2年1月6日に発出された厚労省通知の別添 「医療機器の生物学的安全性試験法ガイダンス」 の第5部 「刺激性試験」 に, 当該in vitro試験法が採用された. 当該試験は皮膚一次試験の代替法であるが, この方法はin vivo試験と異なり刺激性の強さを定量的に評価できない. 今後, この課題を克服することが必要と考えられる.

  • 谷川 隆洋
    2020 年 10 巻 2 号 p. 63-68
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/31
    ジャーナル 認証あり

    より実用的な試験法ガイダンスとするために, 医療機器の生物学的安全性試験のひとつである血液適合性試験の試験法ガイダンスが改訂された. 現在, 溶血性試験 (材料起因) を除きほぼすべての医療機器に適用可能な血液適合性試験およびそのプロトコルはない. また, 国内では試験を設計するために必要な情報も十分ではない. これらの事情により, 国内においては医療機器の血液適合性試験としてどのような試験を実施すればよいのかわかりにくい状況になっていると考えられた. このため, 改訂されたガイダンスは, 使用者が医療機器ごとに血液適合性に関するリスクを理解し, それに合わせて適切に試験を設計できるように情報を提供することに重点をおいている.

    本稿では, このガイダンスの主な変更点について解説する. 本稿の情報が, ガイダンスの理解を深め, 試験の設計に役立つものになることを期待する.

  • 野村 祐介, 森下 裕貴, 福井 千恵, 高原 健太郎, 宮脇 俊文, 蓜島 由二
    2020 年 10 巻 2 号 p. 69-78
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/31
    ジャーナル 認証あり

    身体と接触する医療機器は, ISO10993シリーズに準拠した生物学的安全性評価の実施が求められている. 当該規格では, 細胞毒性, 刺激性および感作性試験等の生物学的安全性試験法を提示しているが, ISO10993-1 「医療機器の生物学的安全性試験の基本的考え方」 では, 当該試験実施前に医用材料の化学的特性に関する情報収集を要求している. ISO10993-18およびISO/TS 21736に新たに記載された医用材料の化学的特性評価および毒性学的懸念の閾値 (TTC) の概念は, 開発コスト削減や動物福祉促進につながるため, 化学分析を利用した生物学的安全性評価は, 今後ますます利用されると考えられる. 化学分析は分析対象が決まっている場合, 医療機器からの溶出量およびヒトへのばく露量評価に非常に有用であるが, 医用材料メーカは不純物を含めた全組成を開示しないため, 化学分析に利用できる情報は限定される. それゆえ, TTCアプローチは, 医療機器の包括的な定性・定量分析に利用可能であるが, 同アプローチに利用される現在の抽出物/溶出物 (E & L) 分析には, 検討すべき課題が幾つか残存する. 本項では, ハザード解析の概念, 検出感度および分析手法など, 現行のE & L分析の問題を提示する. さらに, 当該E & L分析とは一線を画すと共に, 遺伝毒性および感作性試験の代替となるTTCおよび新規皮膚感作性の閾値 (DST) の概念を利用した戦略的分析パッケージを紹介する.

  • 穴原 玲子
    2020 年 10 巻 2 号 p. 79-82
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/31
    ジャーナル 認証あり

    独立行政法人医薬品医療機器総合機構 (PMDA) は日本における医薬品や医療機器の承認審査業務を行う組織である. PMDAでは, 厚生労働大臣に提出された承認資料について, 現在の科学技術の水準にもとづき医薬品と医療機器の有効性, 安全性, 品質について審査を行っている. 医療機器の原材料やヒト臨床使用時における生物学的安全性評価はリスクマネジメントの検証作業のひとつとして位置づけられている. 申請者は新たな医療機器を申請する際, 機器 (原材料) が引き起こす有害事象に関連した生体反応を評価しなければならない. この論文では, 申請者がどのように医療機器の生物学的安全性評価を行うべきかについて明らかにした.

シリーズ(医薬品・医療機器評価をめぐる最近の話題)
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