各地の崩壊地分布図をもとに,斜面の傾斜と崩壊率の関係を調べた。傾斜の測定には寺田法によった。その際,単位円の大きさは地形図の縮尺や地形の複雑さを考慮して,統計的に有意義なデータが安定するように決定した。崩壊率は1カ所あたりの平均崩壊面積に崩壊個数をかけ,同一傾斜を有する斜面の総面積でわって求めた。その結果,崩壊率は傾斜とともに増大するが,30°~40°では一つの明瞭なピークを示すか,ピークがないか,複数個のピークを示すかのいずれかであった。
一方,無限斜面の安全率において,Sinθ以外の項を確率過程で扱かった。いま,抵抗力の逆数に関する確率密度分布が降雨により移動拡散し,ある限界値以上で崩壊が発生するとすれば,崩壊率と降雨量から傾斜別に抵抗力を逆算することができる。確率函数に二項分布をもちい総降雨量別に抵抗力の逆数を求めたところ,傾斜と崩壊率の関係は抵抗力からみなおされることがわかった。
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