豪雨型の山崩れによる崩壊面積を予測するため,崩壊機構を次のように考えた。
降雨の浸透と貯留で土の重量が増加し,強度が低下するのに加え,時には間隙水圧が上昇する。これらの現象は崩壊の発生を助長するものであり,斜面に対するショックと言える。
雨量の増加で種々のショックがいくつか発生し,蓄積されて,力学的変質の段階が地域固有の一定限界以上に達すると崩壊が発生する。
流域が互いに独立な等面積の単位斜面からなり,雨量
Δrに比例したショックがランダムに発生するなら,単位斜面でのショックの発生状況はボアソン過程で近似される。
したがって,総降雨量
rで単位斜面が崩壊する確率
Fは,ショック数
X(r)=jが一定の値C以上に達する確率に等しく,次のΓ分布モデルで表わされる。
F(
X≧
C,r)=1-∑
C-1j=0(λr)f/
j!e-
λrCは地域固有の抵抗性を表わすので,抵抗示数と呼ぶことにした。またλはショックの発生率で0.01(mm
-1)である。
どの単位斜面でも同じメカニズムが作用するので,上式は総降雨量rと流域の崩壊面積率Fの関係を意味している。
愛知県西加茂郡藤岡村,高知県に淀川流域静岡県賀茂郡南伊豆町,山形県最上郡及位町など,最近の豪雨による災害地について,縮尺5万分の1の航空写真から総降雨量別に崩壊面積を計測した結果,上述のr-F関係が成立していることを確認した。
降雨前に崩壊面積率を予測するには対象地域の抵抗示数Cを推定しなければならないが,地域の降雨特性との適応関係を考慮した次式が有効で,既往の災害資料や7月の平均月雨量Jなどのデータが役立つ。
C=0.0433
J
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