ガンマー分布モデルに基づいて崩壊面積を予測するには,対象地域の抵抗示数(形状母数)を推定する必要があるが,これにはいろいろな因子が関与しているので,まず地質との関係を解析した。
すなわち藤岡地区などの既往災害地について,航空写真の各主点を中心に1km
2の円形プロットをとり,総降雨量と崩壊面積率を測定,これらをガンマー分布モデルに代入して抵抗示数をプロットごとに求め,抵抗示数の分布図を作製した。
抵抗示数の分布図と地質図を対比した結果,前者の形状特性が後者に類似していることから,地質別に抵抗示数を求めたところ次の順になった。
藤岡地区:黒雲母花崗岩<角閃黒雲母花崗岩<角花崗閃緑岩<角片状角閃黒雲母花崗岩<角アプライト質花崗岩<角瀬戸層群。
仁淀川地区:須崎層<角葉山層<角蔵法院層群<角市ノ瀬層群<角上八川層<角白木谷層<角伊野層。
山北地区:礫岩<角泥岩<角緑色凝灰岩<角火山角礫岩。
粗粒の黒雲母花崗岩や第三紀の未固結な頁岩の所では,抵抗示数は概して小さくなる傾向が見られた。特に堆積岩地域では抵抗示数Cと堆積岩の絶対年Tとの間に次の指数式が成立した。
C≒
kT0.3k:地域による定数
対象地域には普通,各種の地質が複雑に含まれるが,総降雨量と崩壊積面率の関係は地質に対応した抵抗示数の分布と総降雨量の分布によって次のケースに分けられた。
抵抗示数の等値線と等雨量線が直交に近い場合,崩壊面積率は地域全体を代表した抵抗示数に該当する1本の理論曲線で表わされるが,総降雨量が同じでも地質による局地的なバラツキが大きい。
等雨量線が抵抗示数の等値線にほぼ平行な場合,総降雨量の雨量階ごとに地質による抵抗示数が異なるため,それぞれに対応した理論曲線を移行する形で崩壊面積率が表わされる。
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